ブルキナファソにおける国内避難民とホストコミュニティの生計向上の取り組み

2023年4月27日

ブルキナファソ国では、2016年以降、国内・周辺諸国の治安悪化に伴い、国内避難民数は増加の一途を辿っており、国内避難民数は2023年2月末には、当国人口の約9%にあたる約199万人に達しています。

ブルキナファソ国内で、国内避難民受け入れている地域では、土地の地権者やコミュニティ住民の協力の下、多くの国内避難民がホストコミュニティに受け入れられていますが、避難生活が長期化し、国内避難民の数も増大するにつれて、限られた土地・水・燃料などの制約の下、生活の困窮度が増大しています。

また、ブルキナファソでは、治安の悪化、急増する国内避難民に対して、基礎的インフラの整備・行政サービスの提供が追い付かない状況です。

JICAブルキナファソ事務所は、2022年9月~2023年2月にかけて、中央北部地方で国内避難民がホストコミュニティと協働で生活している地域の生計向上のため、16名のナショナルボランティアを派遣しました。

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派ナショナルボランティア(青い服)

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ナショナルボランティア(中央前列)とコミュニティの人々

ブルキナファソの「ナショナルボランティア」(ブルキナファソ人のボランティア)の役割は、行政とコミュニティを繋ぐ存在として、行政サービスが脆弱なブルキナファソにおける 行政サービスの実施を支えるものであり、今回は、農業と農業普及員を繋ぐ役割を担うことが期待されました。

ナショナルボランティアは6か月の間に、国内避難民とホストコミュニティとともに以下の活動に取り組みました。

  1. 市場志向型農業の振興
  2. 低湿地を活用した循環型農業・家畜飼育
  3. エコサントイレの整備(トイレと肥料)
  4. モリンガ、バオバブの苗木育成・販売
  5. 土のうを活用した農道整備(NPO法人「道普請人」の協力)

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市場志向型農業の振興

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家畜飼育

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エコサントイレの整備

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土のうを活用した農道整備

2023年3月9日、16名のナショナルボランティアは、活動の成果を発表しました。ナショナルボランティアからは、ゴマ、肥料、モリンガ等の販売による生計向上の取り組みに関して発表がなされました。中央北部地方農業省サンマテンガ県担当課長のカヤバ・シディキ氏からは、「農業高校卒業後の地元の若者が、ナショナルボランティアとして、日々、国内避難民・ホストコミュニティとともに、農業・家畜飼育に取り組むことで、生計向上に資する役割を果たした」との話がなされました。

ナショナルボランティアは、これまでの活動の取り組みを踏まえて、2023年4月から2024年1月まで、国内避難民とホストコミュニティの生計向上のため、中央北部地方のコルシモロコミューン、ブスマコミューンで活動を実施していきます。