EHL(注)パートナー企業間の技術移転について

2022年7月26日

7月4日から3日間、プロジェクトの技術支援を受けている企業間で技術移転のトレーニングを実施しました。具体的にはメッシュ技法を得意とするかばんの企業が、手袋を作る他の企業に対してこの技法の指導を行いました。細長く裁断した革を、切り込みを入れた別の革に編み込んでいくメッシュの技法は、表面の傷を目立たなくして、質の低い革を有効活用することができます。

もともと、この技法を使って牛革のかばんを作っていた企業に、やわらかな羊の革でもきれいなメッシュになるようプロジェクトの専門家が技術指導を行ってきました。その結果、この企業はメッシュのかばんで欧州からもオーダーが取れるまでに成長することができました。

トレーニングを受ける企業はエチオピア北部の都市から飛行機を使ってはるばるやってきました。手袋を主力製品として欧米市場への展開を目指しています。指導する企業の職人が、その手順を一つ一つ丁寧に教えていきます。教わる側も真剣そのものです。1日目は、革に切り込みを入れる作業と革を細長く裁断する作業、そして編み込みするところまで。2日目はもう一つの編み方を学び、3日目には手袋の型に裁断するところまで進みました。これを自社の工場に持ち帰り、縫製し、細やかなメッシュが施された手袋を完成させます。

今回の企業間の技術の共有では、教わる側だけではなく、教える側も指導するという行為を通じてさらに成長することができました。エチオピアの企業間でお互いに高めあうことができたことは、プロジェクトの成果の一つといえるでしょう。

(注)本プロジェクト第1フェーズで立ち上げを行った、羊革素材のブランド「Ethiopian Highland Leather」の略。

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技術指導する企業のスタッフ(左)と指導を受ける企業のスタッフ(右)

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指導する日本人専門家(右)

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メッシュ技法を実践するスタッフ

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メッシュ生地からとった手袋型