マラウイボランティアレポート「ONE WORLD-歌でつながる日本とマラウイ-」

2020年10月15日

名前:横田 美空
隊次:2018年度3次隊
職種:小学校教育
配属先:バラカ教師研修センター
出身地:兵庫県三木市

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日本の友達へ手紙を書く子どもたち

約1万2千キロ。日本とマラウイはこんなにも離れている。それにも関わらず、現代社会を生きる私たちはこんな距離をいとも簡単に超えてつながることができる。

2019年7月、日本の千葉県君津市八重原小学校の6年生と私の活動先であるバラカ小学校の6年生の交流がはじまった。2017年度1次隊のマラウイ隊員であった田仲永和先生が担任する子どもたちと一緒につくったオリジナルソング「ONE WORLD」を日本とマラウイで歌って「つながる」ことをコンセプトとした。マラウイの子どもたちは歌とダンスが大好きであり、バラカ小学校の子どもたちは「ONE WORLD」をわずか1日で覚える勢いで自然と踊りながら歌うようになった。

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日本に紹介したい伝統ダンスを練習する子どもたち

この「ONE WORLD」がつながりの第一歩となり、さらに交流を深めようとマラウイから日本へお手紙を書くことになった。日本の子どもとペアになってその子宛てに簡単な自己紹介を書いた。一生懸命考えて日本の友達に伝わるように書いたり絵をたくさん描いたりする様子を見ていると、子どもは世界のどこでも変わらないのだなと感じた。

さらにその後もビデオレター交換、2度目のお手紙交換、ライブ交流を行うまでに発展した。学校紹介ビデオは、子どもたちにとって自分たちの生活をふり返り他者に伝えることを考えて表現するいい機会になった。日本からのビデオレターを見て刺激を受け、返事をするように朝の給食の様子や豊富な果実のなる木、国歌、伝統ダンスなど盛りだくさんの紹介になった。

ライブ交流では子どもたちが初めて手紙交換をしている友達と話すことができた。直接会ったことはなくてもつながりのある友達は彼らにとって大きな存在であり、普段引っ込み思案な子も自分の友達と直接話せることが分かると、恥ずかしさなど吹き飛んで積極的に会話する様子が見られた。人と人は遠く離れていても心はつながることができると実感した。日本の子どもたちが卒業を迎えるにあたりこのライブ交流が集大成となったが、この半年間ほどの体験は両国の子どもたちにとって強く記憶に残るものになったと思う。

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スカイプを利用しライブ交流する子どもたち

しかし実はマラウイの子どもたちにとってまだ交流は終わっていない。日本の子どもたちからの手紙の返事を待っているのだ。新型コロナウイルス流行の中無事手紙がマラウイに届き、様々な人の協力を得て現在バラカ小学校に届けられている。10月12日にマラウイの学校が再開した後、ひとりひとりの子どもたちに届くように遠くからそっとサポートしたい。