2019年12月24日
国際協力機構(JICA)は、12月24日、プノンペンにて、カンボジア王国政府との間で、技術協力プロジェクト「カンボジア地雷対策センター組織強化プロジェクト」に関する討議議事録(Record of Discussions: R/D)に署名しました。
カンボジアでは、1970年から20年近く続いた紛争の結果、東京都の総面積(約2,190平方キロメートル)に相当する約2,000平方キロメートルの広大な土地が地雷によって汚染されました(*)。そのような中、カンボジア最大の人道的地雷対策実施機関であるカンボジア地雷対策センター(CMAC)は、1992年の設立以降、日本をはじめとする国際社会からの支援を得て、2017年までに約800平方キロメートルの土地の汚染を除去しました(*)。カンボジアはオタワ条約(対人地雷禁止条約)の締約国として、2025年までに国内の対人地雷の除去を完了する義務を負っており、達成する見込みです。
CMACが主要な活動として行ってきた対人地雷の除去は2025年で一区切りがつくものの、2026年以降も、オタワ条約の対象外である対戦車地雷や不発弾の除去活動が残っています。また、CMACは、これまでに得た地雷・不発弾対策分野における知見を活かし、近年はJICAの協力のもと、ラオス、イラク、アンゴラ、コロンビア等の地雷・不発弾汚染国の関係機関に対する研修(南南協力)を行っており、今後も継続し他国に貢献したいという意向があります。一方、CMACの活動は、財政面で国外に大きく依存しています(2017年予算に占める各国・国際機関からの資金提供の割合は約85%(*))。また、2025年のオタワ条約の達成により、CMAC設立以来の大きな変化を迎えることになります。
本事業では、2026年以降もCMACが国内の地雷・不発弾対策活動や南南協力を継続していくため、財政、事業管理、広報、人材育成といった組織的な能力の強化や、CMACのあり方の検討を支援し、SDGs(持続可能な開発目標)ゴール16に貢献します。
*出典 "25 years in mine action path ahead 2018-2025 and beyond 2025" (CMAC)
国名 | カンボジア王国 |
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案件名 | カンボジア地雷対策センター組織強化プロジェクト |
実施予定期間 | 48カ月 |
実施機関 | カンボジア地雷対策センター |
対象地域 | CMAC本部(プノンペン)、各現場事務所(バッタンバン等6州)、地雷対策技術研修所(コンポンチュナン)、CMAC博物館(シェムリアップ) |
具体的事業内容(予定) | JICA専門家の派遣による、CMAC自身による2026年以降のCMACのあり方の検討。2026年以降のCMACのあり方を見据えた、カンボジア国内や日本での研修による、CMAC職員の人材育成 |