産業廃棄物に関する環境チェックポイント

1. 概要

固形廃棄物については、一般的に安全、無害な状態で最終処分することを目標とする。しかし、処分後も係る廃棄物からの浸出水等につき長期的な管理を必要とするものもあり留意を要する(例;鉱山の廃石堆積所)。

2. 基準達成

(1)排出廃棄物について、借入国(地域)の廃棄物処理・処分に係わる基準に適合しているか。

(2)上記の項目にかかわる当該国の基準は国際的に妥当な内容と判断されるか。また、借入国において、現在規制が確立されていない項目については当該国以外(日本における経験も含めて)での実状も踏まえた上で検討しているか。

3. 事前検討

(1)最終処分地の立地上の問題はないか。周辺景観に対してイメージダウンにつながるようなことはないか。

(2)処分地の容量は将来の変動(増産の可能性等)も考慮してプロジェクトライフとの関係から見て十分といえるか。また、予備の用地の検討はなされているか。

(3)処分される廃棄物に含有されている物質は把握されているか。

(4)含有されている物質の長期的な化学変化等により二次的に発生する物質についての検討もなされているか。

(5)処分時の濃度は基準以下でも処分後自然濃縮により将来問題の発生が危惧されるものはないか

(6)再利用・資源化可能な物質について充分検討されているか。その結果として、廃棄物は可能なかぎり減量されているか。

(7)処分地の跡地利用、管理については(事後のモニタリングも含めて)安全・有効なものが検討されているか。

4. 個別対策

(1)処分地からの浸出水、飛散、臭気対策は充分検討されているか。また、そのためのモニタリング計画についても充分検討されているか。

  • イ. 処分地が浸出水を漏出しないような構造となっているか。
  • ロ. 万一浸出水が漏出した場合を考慮して無害化されているか。
  • ハ. 周辺に飲料水・農業用水等の生活用水として利用されている河川、井戸等はないか。

(2)廃棄物を事業所外で処分する場合、処分地までの運搬方法について充分検討されているか。

(3)廃棄物の排出者、運搬者、処分地管理者の間の責任関係は明確になっているか。

(4)天災あるいは人為的な事故による処分施設の崩壊による廃棄物の大量流出時の対策は検討されているか。

(5)施設の運転不良、故障、事故による危険物、有害物の公共水域への流出に関する対策の検討はなされているか。

5. 留意点

(1)廃棄物処分地の設置に関し地域住民およびNGO(国内、国外)の理解は得られているか。

(2)当該国において、過去および現在の産業廃棄物に関し、どのような問題が発生しているか。