アサヒグループホールディングスと協力覚書を締結:「ビール酵母細胞壁」による農業資材を開発途上国の安心・安全な食糧供給と持続可能な農業のために導入

2019年4月25日

署名式の様子

国際協力機構(JICA)は、4月25日、アサヒグループホールディングスと、開発途上国における農業の課題解決を目的に連携協力を推進するための覚書を締結しました。

本覚書は、ビール製造工程で生成される副産物「ビール酵母細胞壁」を液状複合肥料*として活用し、開発途上国におけるフードバリューチェーン開発を促進することを目的としています。開発途上国ではインドネシアやラオスにおいて、同肥料により栽培されたコメ、トマト、ピーマン等の作物に対する増収や土壌病害対策としての効果を検証します。また、日本国内ではJICAが実施する農業・農村開発分野の研修事業において、同技術を広く途上国の行政官・技術者に紹介します。

これらの活動を通じ、食品由来の環境に優しい複合液体肥料広く普及し、開発途上国の安心・安全な食糧供給と持続可能な農業が実現することが期待されます。

*「ビール酵母細胞壁」による液状複合肥料とは
ビールを醸造した後に残る酵母を分解してできる「ビール酵母細胞壁」を用いて調整した液状肥料で、アサヒグループが2004年より開発を進めてきました。植物の免疫力を高める効果があるため、日本国内ではすでに農作物、園芸作物の栽培に使用されています。またゴルフ場や公園施設等の芝管理においても新たな技術革新になることが期待されています。地球温暖化防止や持続可能な社会の実現に寄与するとして「第25回地球環境大賞 農林水産大臣賞」も受賞しました。