ザンビア向け開発計画調査型技術協力 討議議事録の署名:再定住を望む元難民への受け入れ体制づくりを支援

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2019年10月4日

署名式の様子

国際協力機構(JICA)は、9月30日、ルサカにて、ザンビア共和国政府との間で、開発計画調査型技術協力「元難民の現地統合支援プロジェクト」に関する討議議事録(Record of Discussions: R/D)に署名しました。

ザンビアでは、1960年代より多くの周辺国から難民を受け入れてきました。ザンビア政府は、2014年から現地統合事業(注1)を開始し、本国への帰還を希望しないアンゴラ元難民、ルワンダ元難民(注2)を対象に、法的な滞在許可と、居住と農業生産を行うことのできる土地を提供しています。この取り組みは世界でも先駆的である一方、事業の計画実施、再定住区の生計支援や生活環境整備などに課題を抱えており、当初計画どおりに進んでいないのが現状です。

上記背景のもと、本案件では、住民ニーズに沿った再定住計画の策定や手続きの改善、再定住先での農業中心とした生計活動の提案を行うとともに、関係機関の連携強化やインフラ整備促進に向けた資金動員の実施を通じて、現地統合事業のより効果的なアプローチを提案し、事業の促進を目指します。

案件の詳細は以下の通りです。

【案件基礎情報】
国名 ザンビア共和国
案件名 元難民の現地統合支援プロジェクト
実施予定期間 48ヵ月
実施機関 副大統領府再定住局
対象地域 北西部州カルンビラ郡メヘバ、西部州カオマ郡マユクワユクワ
具体的事業内容(予定) 元難民の現地統合事業の促進のため、再定住事業の計画策定や、生計活動に関する改良アプローチの提案を行う。

(注1)難民資格の停止後も、長年住み慣れたザンビアを去ることへの抵抗感や政治的な理由などから本国への帰還を希望しない難民もおり、ザンビア政府は2011年に約1万人のアンゴラ難民、2013年に約3,500人のルワンダ難民を現地統合の対象とすると発表した。これにより、アンゴラ難民とルワンダ難民は「元難民」と称されることとなった。

(注2)ザンビア政府とUNHCR策定の「戦略的フレームワーク」(2014~2016年)に基づき、1) 法的な滞在許可の付与、2) 再定住区への移転(インフラ整備、基礎的サービスへのアクセス含む)、3) ホストコミュニティ支援を主な柱として、内務省とUNHCRにより実施。2017年以降は、「持続可能な再定住」(~2021年)として副大統領府再定住局、UNDPに実施機関が引き継がれ、包摂的な計画実施、持続的な生計基盤、調和的なコミュニティ形成の実現を目指している。