北岡理事長がパラオをJICA理事長として初訪問:日本の協力の成果やパラオとの関係強化の重要性を確認

2019年10月23日

北岡伸一JICA理事長は、10月16日から18日にかけて、JICA理事長として初めてパラオ共和国を訪れ、トミー・E・レメンゲサウJr.大統領ら政府要人との会談やODA事業の現場視察を行いました。

レメンゲサウ大統領との会談

北岡理事長は、パラオ・コロール州の大統領サテライトオフィスにて、レメンゲサウ大統領と会談しました。北岡理事長から、広大な排他的経済水域(EEZ)を有するパラオは、「自由で開かれたインド太平洋」にとって重要な存在であることを述べました。レメンゲサウ大統領からは、基礎インフラの整備やJICA海外協力隊の派遣などのJICAの協力がパラオの発展に大きく貢献していることについて感謝の言葉が述べられました。両国の協力関係を今後も一層深めていくことを両者で確認しました。

会談後の記者会見では、北岡理事長がパラオと日本の間には歴史的に深いつながりがあることに触れ、今後も人と人との関係の深化が重要であると述べました。その具体的な活動として、協力隊員の派遣に加えて、日本の大学で専門分野や日本の開発の経験を学ぶ留学プログラム「SDGsグローバルリーダーズコース」等を通じて、JICAは将来のパラオのリーダー育成に貢献していく意向を伝えました。

パラオ国際空港ターミナルを訪問

北岡理事長は、海外投融資による貸付を通じて協力している「パラオ国際空港ターミナル拡張・運営事業」の建設現場を訪問しました。この事業は、パラオ初の官民連携(PPP)によるインフラ事業です。2020年8月にパラオで開催予定の国際会議「Our Ocean会議」に向けて、空港ターミナルの拡張工事が進められています。パラオの貿易・投資・観光の発展を担う本事業に、パラオ側から大きな期待が寄せられていることを確認しました。

国際サンゴ礁センターを訪問

北岡理事長は、サンゴ礁や海洋生物の研究・教育活動の拠点となっているパラオ国際サンゴ礁センターを訪問しました。同センターは、無償資金協力「パラオ国際サンゴ礁センター建設計画」(1998~2000年)により整備され、技術協力プロジェクトや科学技術協力(SATREPS)によって、サンゴ礁や海洋生物の保全に関する研究や活動を推進してきました。気候変動や都市化が沿岸域に与える影響をモニタリングし、沿岸生態系を保全していくことの重要性を確認しました。

ぺリリュー島の小学校を訪問

北岡理事長は、第二次世界大戦の激戦地であったペリリュー島の小学校を訪問し、JICAボランティアが教える1年生の算数の授業を視察しました。子供たちは、ボランティアが作成した算数ドリルに熱心に取り組んでいました。コミュニティの中に入って地域の人々と協働するボランティアの活動が、現地の一般の人々に広く認知され、感謝されていることを確認しました。

現地日系人との懇談

さらに、北岡理事長は、現地日系人の方々との懇談を行い、パラオの課題と協力の方向性について非常に有意義な意見交換を行いました。

JICAは、今回の理事長訪問を契機に、今後もパラオの経済発展と関係強化に一層貢献していきます。