【実施報告】2018年度 第1回 国際教育研修会

2018年7月18日

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  • 日時:2018年6月24日(日)10時00分から16時00分
  • 会場:JICA中国(東広島市・ひろしま国際プラザ内)
  • 参加者:60名

【内容】

午前の部:
<講義とワークショップ>「『開発』って、そもそもどういう意味??」
講師:荒川 共生 氏(特定非営利活動法人 ボルネオ保全トラスト・ジャパン 理事)
<ワークショップ>「SDGsを身近に感じよう」
新川 美佐絵(JICA中国 職員)
午後の部:
<分科会1)>「生物多様性について-ボルネオの森から考える環境と人権-」
講師:荒川 共生 氏
<分科会2)>「教育について-モザンビークと日本 教育現場での実践から-」
講師:舟木 耕太 氏(福山市立培遠中学校 教諭/JICA教師海外研修過年度参加者/青年海外協力隊現職教員特別参加制度 活用)

「開発」の言葉のイメージ、SDGsについて

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荒川さんの講義を熱心に聴く参加者

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手に持ったカードを思い思いの言葉で紹介

皆さんは「開発」という言葉を聞いてどんなイメージが浮かびますか。「リゾート開発」「駅前再開発」「開発教育」…あちこちで使われる「開発」というこの言葉、案外難しいかもしれません。そんな「開発」って何だろう?という疑問にちょっと向き合うことで、今年度第1回の国際教育研修会が始まりました。

講師の荒川さんのワークショップのもと、開始早々、参加者の皆さんは「開発」と聞いて浮かぶ言葉を次々に出し合ったり、別の言葉で言い表してみたり…「開発」ってこういうこと?! と盛りあがりました。「開発」の英語developの語源はde(包みから出す)+envelope(封筒)、つまり封から出す、それは破壊することだけではなく、内に秘められた可能性・チャンスを解き放つことでもある、という荒川さんの言葉がとても心に響きました。

参加者全員で「開発」の意味を改めて考えた後は、午後のワークショップへの導入として、言葉だけが先行して身近に感じにくいSDGsの身近な例を考えました。SDGs=Sustainable Development Goals。持続可能な開発とは?身の回りのちょっとした景色の中にどんな17の持続可能な開発目標があるのでしょうか。ここ、JICA中国の周辺の景色写真を例に行ったワークショップでは、写真ひとつから、17ゴール全てを関連付けたグループもあり、SDGsの身近さを感じることができたと好評でした。

ワークショップを通じて考えるSDGs

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グループで話し合ったことを発表中

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みんなで席をたってじゃんけん

午後は、「生物多様性」「教育」をテーマとした二つの分科会にわかれて、SDGsを考えました。「生物多様性」の講師は午前中にもご登場いただいた荒川さん、「教育」は教師海外研修参加経験、青年海外協力隊経験のある現役教師、舟木先生です。

荒川さんは、私たちが日頃身近に感じることのないボルネオの森での出来事が日本にいる私達とどう関わっているのか、映像を交えながらワークショップを展開されました。体にも環境にも良いと謳われてきた、私たちの身の回りにあるものが、実は壊れゆく森を生み出していること、そしてその中で生きる動物達の状況に、参加者たちは驚きを隠せなかったようです。それらのものがどの程度身の回りにあるのかというと…朝起きた時から寝る時までそこかしこに!消費者として、一市民として、当事者意識を持ってできることについてもグループで考え、実例を学びました。

舟木先生の講義・ワークショップは、全員立ち上がってじゃんけんをするところから始まりました。モザンビークでの協力隊経験のお話の中で、日本と現地の教育事情の違いの中での葛藤だけではなく、電気も通っていないのにスマホは持っているアフリカの貧困の現状も紹介され、現地を知る人ならではのアフリカの今をお話いただきました。経験談のおわりには、はじめのじゃんけんの意味をご説明くださいました。これは、教育現場での「思い込み」をゲームで実感させるもので、皆さん一様に舟木先生の思いもかけない視点に感嘆の声をあげていました。

当日は中国5県から、国際協力や教職に関心のある学生からベテランの教員まで、幅広い方々にご参加いただき、とても充実した研修会となりました。

第2回は2019年1月26日(土)に実施します。どうぞご期待ください!

【参加者の声】
参加者の持つ様々な「開発」のイメージが面白かった。
SDGsを身近な話題として感じることができた。
改めて「消費者」の意識の大切さがわかった。
日頃使っている製品の背景に関心を持っていきたい。
子供が「わからん」と言える環境作りの大切さを痛感した。
教育の目的を改めて考えさせられた。

お問い合わせ

JICA中国 市民参加協力課(担当:新川)
電話番号:082-421-6305
ファックス:082-420-8082
メール:jicacic-coordinator1@jica.go.jp