JICAボランティア ソロモン日記(36)

2019年11月1日

シニア海外協力隊・岩井潮里(栄養士)

私は首都ホニアラの保健省、栄養課で小学校での栄養教育サポートをしております。こちらのほとんどの学校には給食がありません。児童は10時すぎに休憩があり、学校の内外で保護者や教師が売っている物を買いに来ます。ボールライスと言われるツナ入りご飯を丸めて揚げたもの、ドーナッツ、フィッシュ&チップス、缶ジュース等の甘いもの、脂っこいものが児童に人気です。近年、ソロモン諸島では炭水化物と脂質の摂取量が多くなり、首都ホニアラでは肥満の児童がいる一方、低栄養も見られ、両者が混在している状況です。他州では、なかなか野菜が手に入らず、ご飯に砂糖をかけて食べる所もあるそうで、地域により健康問題は違ってきますが、私のいる栄養課では、これまでの山のようなご飯、インスタントヌードル、スナックなどではなく、(栄養課では)3つの食品群(エネルギーになる食品グループ、体を作るもの、体の調子を調えるもの)からそれぞれ食材を選び、特に芋、野菜、魚などの地元の伝統料理を食べようという栄養教育を(基礎)中心に行っています。

幸いにも首都のマーケットでは果物、野菜が豊富に手に入ります。こちらに来て初めてこれほど多くの種類のバナナを見ました。青いバナナが黄色いバナナより甘いのには驚きです。今、人生で一番バナナを満喫し食べているのでは?とも思います。

バナナといえば、こちらでは手洗いの習慣や物をきれいに洗って食べることが徹底していないことが多いのですが、ソロモンの人がおなかを壊さないのは「バナナを日常的に食べているから、ソロモンの人には良い腸内細菌がいるのでは?」などと気軽に日本人同士で話をしたことがあります。(腸内細菌についての確証はありませんが)食中毒の発生件数やソロモン人のアレルギーを持つ人たちの数は(の有無が)その統計的な数字が表に出てきていない部分もあるかもしれませんが、栄養課のスタッフに聞いたところ、それほど多くはないようです。幼少期から自然に戯れて生活していることも抵抗力を身につける一因となっているのでしょう。

任期終了が近づいてくることを感じるようになりました。残りの期間、こちらのゆっくりとした生活とバナナをもう少し堪能したいと思います。

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マーケットのバナナ

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小学校の昼休み