ホニアラ交通マスタープラン調査プロジェクト:完成したマスタープランと優先事業の報告会を行いました

2022年3月11日

2022年2月22日、調査団はインフラ開発省(Ministry of Infrastructure Development)とともに交通マスタープランと優先プロジェクトの成果について、パブリックコンサルテーションを行いました。これが本調査の最後の現地での活動となります。パブリックコンサルテーションとは、政策決定過程において、広く関係者の意見を募る場で、今回が2回目で、最後となります。

本調査は、ホニアラ市とガダルカナル州の一部を大ホニアラ都市圏(GHA:Greater Honiara Area)と定義し、GHAの現状調査(ソロモン諸島初のパーソントリップ調査を含む)と課題分析を踏まえ、2036年を目標とした交通マスタープランと優先プロジェクトを提案し、市民の移動の利便性向上と経済活動の促進を目指すものです。

パブリックコンサルテーションは、ホテルの会議室から発信するオンライン会議として開催され、ソロモン諸島政府の規定に従って若干名がホテルの会議場で参加し、多くの関係機関、援助機関、商工会メンバーがオンラインで参加し、40名以上が参加しました。

会議の冒頭、MID次官のStephen Maesiola氏は、本プロジェクトを主導したJICA及び関係機関への感謝が述べられました。マスタープランの説明において、第2東西回廊として提案した“Harbor View Drive”の重要性を強調しました。これは、White River から West Kola RidgeまでSkylineを利用して結ぶ路線です。加えて、本プロジェクトでパイロットプロジェクトとして試験施工して有効性が証明された、インターロッキングブロック舗装(ILBP)の本格導入を提言しました。

マスタープラン、優先プロジェクトの提言は、参加者によく理解され、受け入れられました。参加者からは、建設的な意見が述べられ、例えば歩道整備の重要性が指摘されました。健康増進のため歩きたくなる歩道整備、また車椅子などバリアフリーへの配慮が必要であるとの指摘です。海岸線での歩道整備や、ソロモン国立大学(SINU)のキャンパスをつなぐ歩道改良などが挙げられました。Maesiola氏は、これを受けた議論の中で、バス利用者が歩く距離を短くするためにどこでも乗り降りするのではなく、決められたバス停でのみ乗降するように習慣を変えることも必要と指摘しました。公共交通管理の改善も大きな課題です。プロジェクトが主な対象としたミニバスに加え、タクシーの管理の必要性も指摘されるなど有意義な議論が展開されました。

ソロモン諸島では、新型コロナに対して早期に入国制限措置が取られ、国内の感染が抑えられていたものの、一方では、日本からの専門家の渡航が制限されたことから、当初2020年末に予定されていたプロジェクトは、1年程度延期しておりました。このたび、交通マスタープランが完成して、MIDのものとなり、MIDは今後、実現のために適切なタイミングで提案事業の実現を目指すことになります。

調査は終了となりますが、調査団員一同、今後もソロモン諸島の発展に寄与することを、願っております。

【画像】

オンラインでのパブリックコンサルテーションを発信するホテル会議室の様子