2003年2月 バングラデシュ訪問(3/3ページ)

バングラデシュの子供たちへスポーツの楽しさを! 〜キッズ・テニスの開催〜

ダッカ市内にある「国立スポーツ学院」。ここは普段、将来のバングラデシュ・スポーツ界を担う若い選手たちが日々トレーニングを励んでいる場所です。この学院ではJICAからの青年海外協力隊も活動しています。一人はテニス隊員の丸谷圭司さん。現地のコーチと協力して、11歳から18歳までの選手(テニスの生徒約40人)を指導しています。また、同僚スタッフと協力して、地方の村や小学校を巡回し、様々なスポーツプログラムを提供する活動「Dream Kids22」を行っています。

【写真】生徒達と握手

生徒達と握手。将来のバングラディシュスポーツ界を担おう!

【写真】丸谷隊員

バングラディシュのテニス状況について語る丸谷隊員。


ちょっとしたエピソード3

〜日本で募ったラケットがバングラデシュの人たちへ〜

【写真】寄付されたラケット贈呈

2003年2月に開催された「東レ・パンパシフィック・テニス」会場で寄付されたラケットが、伊達さんからバングラデシュの人たちに届けられました。

もう一人は水泳隊員の安澤重人さん。現地のコーチへの協力を通じて水泳の生徒約50人に、レベルアップを図る協力を行っています。2002年3月には、バングラデシュの国体にあたる「第7回バングラデシュゲームス」に、安藤さんが指導する選手を引率して参加しました。

【写真】

練習に励む生徒達

【写真】安藤隊員

彼らの活動を視察した後、国立スポーツ学院にある体育館でバングラデシュの子供たち約40人に「キッズ・テニス」を開催。スポーツ学院で活動する2人の協力隊員のほか、他の現地で活動中の隊員も参加し、手伝いました。

【写真】

元気に体操

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私たちはこういった活動をしています

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日本の文化

ほとんどの子供たちがテニスボールやラケットに触れるのが初めてでしたが、伊達さんは子供たちの手をとってラケットの振り方を教えるなど、笑顔で丁寧に教えていました。子供たちも自然にテニスの楽しさを感じ取ったようで、時間がたつにつれて、のびのびラケットを振りコートを走り回るようになりました。

テニスを終えた伊達さんは「子どもたちは、みんな初めてのテニスとは思えないほど運動能力が高かった。とにかく元気がよくて、一人ひとりが目一杯個性を表現していましたね」と元気な子どもたちに少し驚いた様子。一方で、「バングラデシュではまだ、スポーツができる環境にない子どもたちが多いと聞きました。今日の活動で、体を動かす楽しさを感じ、これをステップにテニスや他のスポーツをやりたいと思ってくれるよう望んでいます」と話していました。伊達さんの言葉を子どもたちに通訳した丸谷さんも「伊達さんは日本語なので言葉は通じないが、気持ちは子どもたちに確実に伝わっていた。今日は本当に楽しかった」と感想を話していました。

バングラデシュでの活動を振り返って・・・

「この国はエネルギッシュで、人々がとてもフレンドリーですね。 人々から何かをしたいという好奇心が感じられます。一方で、病院の視察では、安全な出産ができず命を落とすお母さんや赤ちゃんがいるという現実を知りました。日本の協力を必要としている人たちはたくさんいます。時間はかかると思いますが、日本の協力で一つの命が助かることによって、次の世代、また次の世代への命がつながっていくことはすばらしいこと。派遣されている日本の専門家や青年海外協力隊員ともお話をしましたが、現地の人たちとの信頼関係を築きながら協力をしていくことが大切なのだと実感しました」と訪問を振り返って話していました。