バヌアツでの褒める教育

2019年7月1日

青年海外協力隊
2017年度1次隊
平野 遥(小学校教育)

こんにちは!2017年度1次隊としてバヌアツに派遣の平野です。2017年3月に大学を卒業してそのまま訓練所へ入所、同年7月にバヌアツへ小学校教育隊員として派遣され、無事2年間の任期を終えようとしています。

配属先について

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バヌアツの首都から200km離れたサント島にある第二の首都ルーガンビルのバンバン小学校に配属されています。私の配属先バンバン小学校は1クラス35~50人の20クラス、合計約800名が在籍する英語系の小学校です。(バヌアツは公用語が英語、仏語、ビスラマ語の3つなので小学校から英語系か仏語系か学校によって違います。)配属先のバンバン村はタウンから少し離れた田舎にあり、とても大きな村ですが他に外国人は住んでいないので、すぐに顔を覚えてもらえてどこにいても「ミスハルカー!」と名前を呼んでくれました。

活動内容について

バヌアツの子どもと教師への算数と音楽の指導が基本的な活動内容で、毎日先生と算数の授業をメインに担当していました。バヌアツには子ども一人一人に与えられた教科書はもちろん無く、先生でさえも教科書が足りずに隣のクラスとぼろぼろの破れた教科書を共有している状況です。近年では少しずつ改善されていますが、教科書の内容もまだまだ先生は理解できていません。そのため、分からないまま子どもに授業をしていてとても自信が無さそうでした。

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わたしは2年間、算数の基礎知識を担任教師と確認しながら授業をつくることを続けました。しかし、バヌアツでは先生が誰かに評価してもらう機会がないため、どんなにいい活動をしていても褒められることはありません。子どもも同様で、叱られることはあっても褒められることはありません。

そこで私は授業後には反省・フィードバックを行い、その中で“褒める”ことを大事にしていました。褒められた先生たちはそれが自信につながり、授業もみるみる上達していきました。それだけでなく、褒められた経験をした先生が自分のクラスの子どもを褒めるようになりました。褒められた子どもは授業態度がよくなり、学級全体の雰囲気も良くなりました。たくさんの成長をこの2年間で感じることができてうれしかったです。

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幸せの国バヌアツ

みなさんご存知でしょうか。そんなバヌアツですが世界の「幸せな国」のランキング上位に何度も選ばれています。バヌアツで2年間過ごして、この国が「幸せの国」と言われる所以が身をもってわかりました。経済的に豊かといえる国ではありませんが、国民が今の生活に満足しているのがよくわかります。たくさんの笑顔と笑い声に包まれて、様々なことに挑戦できたこの環境とこの国の人たちにとても感謝しています。今後は日本で、バヌアツで感じ、学ぶことができた世界を発信していきたいと思います。

Tankio tumas! Vanuatu nambawan!!

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