【つくってみた】世界の(ど)ローカルごはんを人気動画クリエイターが再現!2019年度1次隊/2021年度7次隊 前田隊員のレシピが取り上げられました

2022年7月6日

JICA海外協力隊員と元隊員が中心となって作成したレシピ本『くらして初めて知った(ど)ローカルごはん 日本で作れる世界のレシピとお話』(青年海外協力隊大阪府OB・OG会発行)に、ナミビアからは、2019年度1次隊前田隊員が伝統料理「マタンガラ」(ホルモンのトマト煮込み)のレシピを寄稿しています。

このたび、前田隊員のレシピがYouTubeチャンネル「釣りよか飯」で取り上げられました。

前田隊員は、コロナ禍で一時帰国した後、新たに2年間の合意書を結んで元の配属先に戻り、現在もナミビアで活動中です。今回のコラボレーションに合わせて、ナミビアでの活動や生活についての前田隊員からの報告を紹介します。

1)活動内容

協力隊の中でも超レア職種「音響」隊員です。青年海外協力隊に絞るとこれまでに5人しかいません。そのうち4人目と5人目が私です。2019年に1度派遣されましたがコロナのため活動を中断。今回は2回目の活動中です。
(参考:JICA海外協力隊ウェブサイト「職種別派遣実績」)

現地の国立劇場でPA(音楽ライブなどで客席の真ん中で機材に囲まれているあの仕事です)、演劇のサウンドデザイン、劇場運営などについて教えています。

2)マタンガラにまつわるエピソード

現地の料理にはだいたい「カッパーナスパイス」という調味料が使われるのですが、日本では手に入らないので、このレシピからは外してコンソメでうま味を足しています。1度食べたらおいしくてクセになります。お肉料理だけでなく野菜やご飯などなんでも合います。是非一度ナミビアに出かけて味わってみてください。

3)ナミビアでの生活で驚いたことや感動したこと

  • ナミビアはビールもおいしい。しかも安く、ミネラルウォーターと同じくらいの値段で売られています。2016年には一人当たりのビール消費量が世界2位になりました。
    (参考:キリンホールディングスウェブサイト「『キリンビール大学』レポート 2016年 世界主要国のビール消費量」) ドイツ植民地時代に製法が伝わり今でもドイツの「ビール純粋令」に基づいて作られている正統派ビールです。
  • アフリカの食べものは肉ばかり...と思っていましたが、漁業も盛んで牡蠣の養殖もおこなわれており、これを生食します。日本人からは「アタるんじゃないか?」と言われますが、2回の派遣で一生分生ガキを食べたと思いますが一回も当たったことはありません。またお正月のおせち料理の伊勢海老はナミビア産が多いそうです。毎年4月末から5月初めにかけて海沿いの街リューデリッツではクレイフィッシュフェスティバルが開かれるほど。(日本ではCrayfish=ザリガニと訳されてしまいますが、伊勢海老やロブスターを指します)
  • 現地で走っている車の多くが日本車。中古車をたくさん日本から輸入していて、カーナビのGPSはだいたい横浜か神戸で止まっています。ボタンや画面は全部日本語表記なので、日本人が乗ると「カーステレオの使い方を教えてくれ」と頼まれます。

4)ナミビアの気候

とにかく乾燥しています。乾季の晴れた日に洗濯物を外干しすれば2時間でバキッバキに乾きます。スキンケア大事です。朝晩と昼の気温差が大きく、夏の朝は20度前後、昼は35度を超えるくらい、冬の朝は0度近くまで下がることもあり昼は20度くらいです。私の暮らす首都は高地にあるので幾分暑さは穏やかですが、内陸地は暑く、大西洋沿いは1年中長袖の隊員がいるほど涼しいです。

5)ナミビアの土地の様子

ナミビアは世界最古の砂漠「ナミブ砂漠」があり世界一美しい民族「ヒンバ族」が暮らしています。私が住む首都ウイントフックもそんな自然に囲まれた街…といいたいところですがめちゃくちゃ都会です!アスファルト舗装された道路を渋滞するほど車が走りビルも立ち並びます。植民地時代の古い建物も残っていてもはやヨーロッパです。シャワーからはお湯が出て、服は洗濯機で洗濯!協力隊のイメージとはかけ離れた生活をしています。

6)ナミビアの文化

バーベキューが大好き。現地ではアフリカーンス語で「ブライ」と呼んでいます。週末はブライ、お祝いもブライ、人が集まったらブライ。頻繁にブライパーティーが開かれみんなでお肉を焼きながらおしゃべりします。

7)最後に一言

ナミビアは、市街地は大都会で少し離れると大自然が広がる国です。日本からはちょっと遠いですが、旅に出るか、ボランティアに出るならおすすめです!

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ナミビア国立劇場
私の配属先です。50年ほど前ドイツ植民地時代に建てられ、470の客席としっかりした舞台設備が備わっています。

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活動中(ワークショップ)
現地大学の演劇学科の生徒たちに音響スタッフの仕事を体験してもらっています。配属先だけでなく近くの文化施設から出張講座を依頼されることもあります。

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マタンガラ
手前のお皿が現地のマタンガラです。だいぶ大きく切ってありますがよく煮込んであるのでやわらかくて食べやすいです。

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大好きなローカルレストラン
一番好きなお店に現地の友達と食べに来ました。現地では手で食べる人が多いです。外国人客にはナイフとフォークが出されるのですが、いつの日からか私には出されなくなりました(笑)

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ウイントフックの街並み
街の中心部にはビルが立ち並んでいます。

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町の中の公園
街の中心部にある公園です。広い芝生が近くで働く人の憩いの場になっています。レストランがあったり野外ステージがあったりと金曜日の夜は盛り上がります。

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古い建物
街の中には古い建物がいくつも残っています。奥の建物は1908年に建てられたもので近代的なビルと古い建物が共存しています。

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空が近い首都
首都ウイントフックの標高は1700メートル。アップダウンが激しい土地ですがそのおかげで見晴らしのいい坂がいくつもあります。その標高のせいか空が近くに感じます。

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首都の夕日
私は首都の夕日が沈んだ直後の空が好きです。この写真まったく加工してません!

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海沿いのおしゃれな街
スワコップムンドの街。海沿いにはこんなおしゃれなところもあります。

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晴れた日の空
街から離れて砂漠に遊びに来ました。ナミビアは空の色が塗ったように青いです。

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近所の砂漠
ほかの隊員の家の近所にある砂漠です。はしゃいでますがココめちゃくちゃ寒いんです。

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スピッツコップ名所
スピッツコップという岩山です。「ナミビアのマッターホルン」と呼ばれているそうです。こんな橋のような岩があって名所になっています。

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スピッツコップ全景
スピッツコップまでは未舗装の道を車でひたすら走り続けます。離れていてもこの存在感です!