エジプトにおける新型コロナウイルス感染症対策のための緊急支援-スエズ運河大学病院への超音波画像診断装置とフローサイトメーターの供与-

2021年10月19日

JICAエジプト事務所は、2021年10月19日、超音波画像診断装置(日立製)およびフローサイトメーターをスエズ運河大学に供与しました。

今回の機材供与は、同大学病院の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対応能力の強化に資するものであり、JICAと同大学が共同で実施しているアフリカ向け第三国研修「母子・新生児の健康とユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)」における研修基盤整備として実施されました。供与式典には能化正樹駐エジプト日本国大使、エジプト開発パートナーシップ庁(Egyptian Agency of Partnership for Development(EAPD))よりヒシャム・エルメクワッド(Amb.Hesham El-Mekwad)副事務局長が臨席し、大村佳史JICAエジプト事務所長とアフメッド・ザキ(Prof. Ahmed Zaki)学長が機材供与に関する合意書に署名しました。式典スピーチにおいて、同学長は、長年にわたって第三国研修が継続実施されてきたことに対する謝意を表し、他のアフリカ諸国への貢献に際して、今後のJICAとの連携強化に対する強い期待が述べられました。

また、同研修を担当しているスエズ運河大学のソハ・ユニス教授(Prof. Soha Younis)からは、JICAとの強い協力体制のもとで研修員受入がなされてきたことに関し、特に日本人専門家によって行われた同大学への講義及び技術支援に対する謝意が述べられました。

大村所長からは、25年間で6コース700名以上のアフリカからの研修員の受け入れに貢献してきた第三国研修を含む、JICAとスエズ運河大学の間の長年の協力関係について言及され、COVID-19対応に対する同大学および大学病院による尽力について、謝意と敬意が伝えられました。

供与された機材は、エジプト東北部5県を対象とした三次医療の提供を担う同大学医学部および大学病院に設置されました。これにより、CTやX線による診断や患者管理が難しいCOVID-19罹患妊産婦向けの診断・患者管理や、白血病・HIV/エイズ、先天性免疫不全疾患の特定および免疫機能評価、COVID-19病態把握の技術向上が見込まれます。またアフリカ向け第三国研修「母子・新生児の健康とUHC」において、上述の技術に関する能力向上を目指すカリキュラムが組まれており、供与された機材を使った技術向上に関する研修にも活用される予定です。

JICAは、エジプトにおけるパンデミックとの闘いの中で最大限の努力を注いている様々な機関との協力を通して、引き続きエジプト国内のCOVID-19対策並びにアフリカ地域への技術協力を通じて、強靭なUHCの実現を支援していきます。

参考:供与式典の写真

【画像】

大村JICAエジプト事務所長(右から1番目)のスピーチにて、第三国研修等のスエズ運河大学との25年間にわたる協力を紹介

【画像】

ザキ・スエズ運河大学学長及び大村所長による機材供与合意書の署名

【画像】

スエズ運河大学医学部に供与されたフローサイトメーター

【画像】

スエズ運河大学病院に供与された超音波画像診断装置(日立製)について説明を受ける能化駐エジプト大使(右から2番目)と大村JICAエジプト事務所長(右から1番目)