2022年3月23日
JICAエジプト事務所は、2022年3月23日、新型コロナを含むウイルス検査に要する機材、また大学病院中央滅菌室改修工事に資する基幹機材を、ファイユーム大学に供与しました。
今回の機材供与は、同大学及び大学病院の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対応能力の強化に資するものであり、JICAと同大学が共同で実施している第三国研修「アフリカ向け医療施設における感染予防及び管理の基礎」における研修基盤整備として実施されました。
供与式典には岡浩駐エジプト日本国大使、アハメド・エル・アンサリ(Dr. Ahmed El-Ansary)ファイユーム県知事、モハメド・カリル(Amb. Mohamed Khalil)エジプト開発パートナーシップ庁(Egyptian Agency of Partnership for Development(EAPD))大使、大村佳史前JICAエジプト事務所長が臨席し、ヤッサー・ハタタ(Dr. Yasser Hatata)ファイユーム大学学長と加藤健JICAエジプト事務所長が、機材供与に関する合意書に署名しました。
式典スピーチにおいて、エル・アンサリ知事とカリルEAPD大使は、日本とエジプトの強力なパートナーシップを評価し、感謝の意を表しました。また、同学長は、長年にわたって第三国研修が継続実施されてきたことに対する謝意を表し、ファイユーム大学とJICAとの協力関係がさらに強化されることへの期待を述べました。
本供与に深く関わってきた大村前所長は、エジプトのCOVID-19禍でファイユーム大学の医師と看護師2名が殉職されたことを知り、早急かつ持続可能な支援の必要性を認識するとともに、大学病院が独自に中央滅菌室の改修工事計画を進められていたことから、「今が支援の好機」との考えに至ったエピソードを紹介しました。
ファイユーム大学病院は、人口380万人のファイユーム県の三次医療、エジプト中南部地方都市におけるCOVID-19パンデミック対応のための中核的医療の一端を担っています。この度の供与は、医療現場での安全管理及びサービスの質・効果の大幅な向上に貢献するとともに、当国におけるパンデミック対策の向上とその封じ込めにより、より早いTCTP再開を目指すことに寄与し、供与資機材を活用した研修を通じて、JICAのアフリカ地域におけるCOVID-19関連の技術協力推進が期待されます。
JICAは、エジプト国内のCOVID-19を含む感染症対策支援、並びにアフリカ地域への技術協力を通じて、強靭なユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)の実現を支援していきます。