2022年2月10日、在イラン大使館の相川大使出席のもと、イラン国ラシュト市とJICAはラシュト日本庭園の開園式を実施しました

2022年3月9日

ラシュト市日本庭園は、イラン政府からの要請に基づき2019年6月、イランに初めて派遣されたシニアボランティアにより6か月で企画・設計されました。ラシュト市はイラン北西部に位置するギラン州の州都で、カスピ海に面しており気候や植生も日本に近いといわれています。日本庭園はそのラシュト市の市民公園の一画に作られました。日本庭園は完成後の維持管理にも特別なノウハウが必要なため、ボランティアの小松氏は、活動中に日本庭園維持管理マニュアルも作成しました。ラシュト市は、小松氏の帰国後その設計を基に2022年2月日本庭園を完成させました。日本庭園に設置される石灯籠はJTIにより寄贈されました。

この庭園の中心には、一つの池が存在します。名前を「しんじ池」と呼び、これは小松氏が、日本のこころ、という漢字を、池の形に組み込まれたもので、イランと日本の友好関係を称賛したいという小松氏のこころから生まれました。しんじ池の複雑な曲線は、海の雰囲気を演出する風景に、変化と深さをもたらす造園技術であり、海岸、砂漠、岬などの自然融合を思い描かせる目的があります。

この日本庭園と唯一比較できる庭が、Paradise Gardenと言われるペルシャの庭園です。ペルシャ庭園のデザインは、極端な気候条件に対応するための技術、水管理、建築、植物学、農業など、さまざまな知識分野を応用しています。ペルシャ庭園の概念は、イランの生活とその芸術的表現に浸透しており、文学、詩、音楽、書道、カーペットデザイン等にも応用されていると言われています。イランの庭園設計技術は、インドやスペインにも影響を与えました。

このように、イランと日本の庭園には共通点があり、ラシュト市の日本庭園がこれから未来永劫、イランと日本の友好のシンボルとして存在し続け、またラシュト市に多くの観光客を呼ぶような、憩いの場所となることを願ってやみません。

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スピーチをする在イラン大使館日本大使(左)と東イラン事務所所長(右から2番目)

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完成したラシュト市日本庭園

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JICAからラシュト市に感謝の意を表して銘板を贈呈