市民の尊厳に直結するプロジェクト イランのバリアフリー支援事業

2022年10月21日

世界中で、バリアフリーをキーワードに、特に物理的なバリアーをなくす試みが数多くありまが、イランでは障害者の方々の多くが生活に様々な社会的な制約を受けています。

神奈川県秦野市の特定非営利活動法人「イランの障害者を支援するミントの会」が、JICAの市民参加協力を通じて、首都テヘラン市の西隣りに位置するキャラジ市役所をカウンターパートに、イランのバリアフリー支援事業を2018年9月1日から2022年8月31日にかけて行いました。プロジェクト目標は、「バリアフリー専門家育成を通して、キャラジ市に対して具体的なバリアフリーを提案するネットワークができる」ことでした。

このプロジェクトでは、様々なイランでのワークショップと日本での研修を通じて、バリアフリー専門家が育成されました。さらに、この専門家たちがリーダーになって、イラン全国を対象としたワークショップも実施しています。

その他、まちづくりの中で、バリアフリー整備のパイロット事業をキャラジ市の大通りで実施しました。具体的には、歩道上及び商店の出入口の段差を解消して平たんにしたり、雨水溝に蓋をかぶせたり、また車道と歩道の交差部の点字ブロックの修正などを実施しました。

このプロジェクトにおいて特徴的なのは、障害者コミュニティの参加と貢献でした。「このプロジェクトのおかげで、私は一人で家を出られるようになりました。もう家族に支援は必要ではありません。バリアフリーは私の人生を変えました。」という喜びに満ちた言葉をこのプロジェクトに参加した、ある女性からいただきました。「ミントの会」の協力は、市民の尊厳に直結する、非常に意義の大きいものとなりました。

2022年6月 ワークショップの様子

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