車いすテニス&キッズテニス イン マレーシア(2/5ページ)

ボランティア事業視察

クアラ・ルンプールでは障害者スポーツ、トレンガヌ州では障害者福祉の分野で活動するJICAボランティアの活動を視察しました。伊達さんと一緒に活動現場を見ていきましょう!

障害者スポーツ

11月のフェスピックに向けてJICAが派遣しているボランティアは、荒井弘子さん(シニア海外ボランティア・障害者陸上)、麻生学さん(シニア海外ボランティア・フェスピック運営支援と車いす製造)、神保康広さん(青年海外協力隊・車いすバスケットボール)、河合純一さん(青年海外協力隊・視覚障害者水泳)と寺西真人さん(シニア海外ボランティア・視覚障害者水泳コーチ)。

障害者陸上

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ダッシュの練習を繰り返す選手たち

荒井さんは、障害者陸上の普及とナショナルチームの強化にあたっています。教えるのは子どもから大人まで、種目もトラックからフィールドまで全般です。以前、青年海外協力隊員としてマレーシアで活動していたため、マレー語も堪能で、合宿中は選手たちと一緒にグラウンドの宿泊所に泊まっていました。マレーシア側の指導者や選手たちの信頼も篤く、荒井さんがつくったメニューに沿って、熱心にトレーニング中でした。「普段はあまりトレーニングできていない人もいて、大会に向けて急に練習量を増やさざるを得ないこともあるんです。日常的にトレーニングできるようになるといいんですけれど」と荒井さん。

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車いすレース選手の腕の筋力のすごさに感心。通訳は荒井弘子シニア海外ボランティア

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「私もテニスを通じて友達ができ、学んだことがたくさんあります。みなさんもがんばって続けてくださいね」の言葉に、選手たちはうれしくて握手を求めに

車いすバスケットボール

元パラリンピック日本代表で、日本人初のアメリカ・プロ車いすバスケットボール選手の神保康広さんが、7月から青年海外協力隊員として派遣され指導中です。まだプレーヤーが少なく、競技人口は30人とか。そのうち16人が、クアラ・ルンプール近郊の国立バンギ職業訓練リハビリテーションセンター(PLPP)で強化合宿中でした。専用の車いすの不足、競争相手のチームがない、など課題は満載。短期間の練習でかなり上達していましたが、神保隊員は「もっとガッツを出してほしいんです!!」。「フェスピックでのベスト3」を合い言葉に、練習はこれからもっと熱くなっていきそうです。

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選手の動きに「good job!」
大きな声で楽しく指導する神保さん

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神保さんの話に耳を傾ける選手たちは真剣そのもの

視覚障害者水泳

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初心者に指導する寺西さん(左端)と河合さん(右から2番目)

なんと今回、パラリンピックに4大会連続出場し金5個含む計19個ものメダルをもつスーパースイマーの河合純一さんが2週間の青年海外協力隊員として、コーチの寺西真人さんとともに視覚障害者水泳の普及と選手強化のために派遣されていました。視察したのは、選手を目指す人達のためのワークショップ最終日。初心者が8人いましたが、うち4人はこの4日間で50メートルを泳げるようになったとか。コースをまっすぐ泳いでいく姿に伊達さん「すごい!」を連発。タイムトライアルではプールサイドを一緒に走り出していました。河合さんによれば、水泳は視覚障害者にとって最も安全なスポーツ。しかし、マレーシアではほとんど普及していないのが現状です。「マレーシアは常夏の国で、プールもたくさんあるのにとても残念。今後も指導者育成に協力していきたい」と河合さんは話していました。

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ターンのデモンストレーション。指示棒で、ターンのタイミングを知らせる。河合さんと寺西さんの息はぴったり

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イスラム教徒は人前で肌を見せてはいけないとされているため、水泳の時も着衣(地方での水泳講習会)