クアラ・ルンプールでは障害者スポーツ、トレンガヌ州では障害者福祉の分野で活動するJICAボランティアの活動を視察しました。伊達さんと一緒に活動現場を見ていきましょう!
11月のフェスピックに向けてJICAが派遣しているボランティアは、荒井弘子さん(シニア海外ボランティア・障害者陸上)、麻生学さん(シニア海外ボランティア・フェスピック運営支援と車いす製造)、神保康広さん(青年海外協力隊・車いすバスケットボール)、河合純一さん(青年海外協力隊・視覚障害者水泳)と寺西真人さん(シニア海外ボランティア・視覚障害者水泳コーチ)。
荒井さんは、障害者陸上の普及とナショナルチームの強化にあたっています。教えるのは子どもから大人まで、種目もトラックからフィールドまで全般です。以前、青年海外協力隊員としてマレーシアで活動していたため、マレー語も堪能で、合宿中は選手たちと一緒にグラウンドの宿泊所に泊まっていました。マレーシア側の指導者や選手たちの信頼も篤く、荒井さんがつくったメニューに沿って、熱心にトレーニング中でした。「普段はあまりトレーニングできていない人もいて、大会に向けて急に練習量を増やさざるを得ないこともあるんです。日常的にトレーニングできるようになるといいんですけれど」と荒井さん。
元パラリンピック日本代表で、日本人初のアメリカ・プロ車いすバスケットボール選手の神保康広さんが、7月から青年海外協力隊員として派遣され指導中です。まだプレーヤーが少なく、競技人口は30人とか。そのうち16人が、クアラ・ルンプール近郊の国立バンギ職業訓練リハビリテーションセンター(PLPP)で強化合宿中でした。専用の車いすの不足、競争相手のチームがない、など課題は満載。短期間の練習でかなり上達していましたが、神保隊員は「もっとガッツを出してほしいんです!!」。「フェスピックでのベスト3」を合い言葉に、練習はこれからもっと熱くなっていきそうです。
なんと今回、パラリンピックに4大会連続出場し金5個含む計19個ものメダルをもつスーパースイマーの河合純一さんが2週間の青年海外協力隊員として、コーチの寺西真人さんとともに視覚障害者水泳の普及と選手強化のために派遣されていました。視察したのは、選手を目指す人達のためのワークショップ最終日。初心者が8人いましたが、うち4人はこの4日間で50メートルを泳げるようになったとか。コースをまっすぐ泳いでいく姿に伊達さん「すごい!」を連発。タイムトライアルではプールサイドを一緒に走り出していました。河合さんによれば、水泳は視覚障害者にとって最も安全なスポーツ。しかし、マレーシアではほとんど普及していないのが現状です。「マレーシアは常夏の国で、プールもたくさんあるのにとても残念。今後も指導者育成に協力していきたい」と河合さんは話していました。