さあお待ちかね、いよいよ伊達さんの出番です。
今回、伊達さんは、クアラ・ルンプールで車いすテニスを、クアラ・トレンガヌでは知的障害児を対象にしたキッズテニスを行いました。
8月12日、クアラ・ルンプールのコートに集まったのは、マレーシア車いすテニス協会から車いすテニス経験者12名とバンギ国立障害者職業訓練リハビリテーションセンター(PLPP)から初心者11名。
伊達さんは関東車いすテニス大会の会長を務めていて車いすテニスの経験はあるのですが、実は、まったくの初心者とテニス交流をするのは初めてのこと。また、今回道具はいつも子どもたちと使っているキッズテニスのものを使います。通常のテニスよりも軽いラケットやスポンジボールは、ボールをコントロールしやすいうえ、体にあたっても痛くないため怪我の心配も少なく、入門にぴったりのもの。しかも伊達さんも高校時代にトレーニングに使っていたというほど、運動量をそれぞれのレベルにあわせて調整できるツールでもあるのです。でも協会の人たちにとっては初めての道具です。趣旨を理解し、十分に楽しんでくれるだろうか。関係者一同、少々心配しながらのイベントになりました。
でも始まってみるとそれは杞憂に終わりました。車いすを動かしながらラケットを扱うことに最初は緊張していた初心者たちも、ボールのバウンドから、ボレー、ラリーへと進めていく伊達さん・平沢コーチのきびきびとしたリードにつられて動きだし、しまいには空振りもなんのその、コートを器用に動き回りながら、楽しそうにボールを追いかけていました。
車いす協会のプレーヤーたちも、手軽にスマッシュやダブルスの練習が行えることがわかると普段できなかったプレーや新たな練習法にチャレンジしたり、伊達さんや平沢コーチを相手にラリーを続けたりと、思い切り汗を流していました。
マレーシアの車椅子テニス人口はまだ50人ほど。車いすテニス協会会長は、「今日のテニスなら初心者も気軽にテニスを始められるし、私たちもいい教え方を学ぶことができたと思います。今回いただいた道具を車いす普及のために役立てていきます」とお礼のあいさつをしてくれました。
当日は、以前バングラデシュでキッズテニスを行ったことがある丸谷圭司さん(元青年海外協力隊員)やテニス経験のある日本大使館の書記官、JICA専門家、クアラルンプール近郊で活動中のJICAボランティアも協力してくれ、スムーズにテニス交流を行うことができました。