【もしり電子版】世界から日本へ研修員eye

JICA北海道(帯広)には、研修員受入事業として開発途上国で必要とされる知識や技術を学ぶために各国から研修員たちが来日しています。彼らは帰国後、自国の発展のために指導的な役割を果たすことが期待されています。

2019年5月27日

JICA研修で来日した3名にお話を伺いました。

FM_JAGAにて左からマリーさん、ディナさん、ムハさん

モルディブの国旗

ナミビアの国旗

パプアニューギニアの国旗

今回は課題別研修「小学校理科教育の質的向上~「教えと学び」の現場教育~」コースで来日した、Mr.Muha(ムハさん)、 Ms.Ndine (ディナさん)、Mr. Murray (マリーさん)がFM-JAGA「Hello!JICAfe」にラジオ出演した際に語った、研修員から見た十勝をレポートいたします。

Q.皆さんの出身国について教えてください。

ムハさん:私はモルディブ共和国から来ました。モルディブは1900もの島々から構成されており、26のサンゴ礁から成り立っています。場所はスリランカやインドから南西に進んだ赤道付近のインド洋沖にあります。
モルディブは何といってもその環境が良く知られていると思います。青い海、白い砂浜、そして綺麗な空気。そしてモルディブの暖かく、晴れの日が多い気候は水泳・シュノーケリング・ダイビング、水上スキー、魚釣りなどにも最適です。

ディナさん:私はナミビア共和国から来ました。ナミビアは南部アフリカに属します。そしてアフリカ大陸の南端の南アフリカの上にあり、西側は大西洋に面しています。東側にはボツワナやザンビアがあり、北はアンゴラと接しています。国土はおよそ82.5万KM2で日本の約2倍です。人口は250万人で、11の民族に分かれています。首都はウィントフックで公用語は英語です。

マリーさん:私はパプアニューギニア独立国から来ました。パプアニューギニアは太平洋にある国で、オーストラリアの北に位置していています。パプアニューギニアは22の地域に分かれており、なんと800を超える言語があると言われています。そこで、主要言語としてピギン語と英語を使います。気候は熱帯雨林気候に属しており、季節は乾季・雨季という2つの季節になっています。

Q.モルディブの観光やお勧めの場所について教えてください。

ムハさん:モルディブは、105のリゾートエリアに分かれており、モルディブへの観光客は年々増加しています。2009年ごろからは外国資本の宿泊施設だけでなく、地元の人々が運営する施設ができてきました。私が皆さんにお勧めするリゾート施設は、マレ国際空港から南へ30分ほどスピードボートで進んだ、エンブドゥ・ビレッジです。私も過去に家族と4~5回訪れたことがありますが、モルディブの他のリゾートホテルに比べて安く滞在でき、とても心が休まるアットホームなリゾートエリアにあります。
アクティビティとしてはナイトフィッシングが面白いと思います。その他は定番ですが、ドルフィンウォチング、カヌー、ジェットスキー、シュノーケリングなどがお勧めです。

Q.ナミビアの食べ物や料理について教えてください。

ディナさん:ナミビアではパールミレット、メイズ、小麦、ソルガムといった穀類や豆を育てています。野菜はトマト、じゃがいも、サツマイモ、タマネギ、キャベツ、ニンジン、ピーマンなどが多く生産されています。パールミレットやメイズ、ソルガムなどは、日本の皆さんには馴染みがないと思いますが、全て穀類ですので、健康的でお勧めできます。果物はブドウやナツメヤシなどを生産しています。その他には、スイカなども栽培しています。
ナミビアのお勧め料理はその地域によって異なりますが、炭火焼き料理が基本的にはお勧めです。個人的には、以下の7つの料理が大好きです。
①Potjie kos:肉と野菜を入れた鍋料理。日本ではスープのような感じです。
②BBQ:日本と同じですね。
③Borewors:ソーセージのことです。
④Biltongs:ビルトン。ビーフジャーキーに似ています。肉を乾燥させて食べます。ビーフジャーキーと比べると肉厚で、多少柔らかいです。自然食品のみを使用するというのが大きな違いです。
⑤Kapana:日本の焼肉と同じ感じです。
⑥Tripes: 牛や羊、ヤギなど様々な動物の部位を使った料理です。モツ料理に近い料理で、使っている部位は胃です。
⑦Mahangu:ドウジンビエとう穀物を加工した料理であるクスクスやお粥など料理がお勧めです。
これらの肉料理はナミビアに来たら是非とも挑戦してください。

Q.十勝・日本の印象をお聞かせください

ディナさん:帯広の印象としてですが、私がナミビアで聞いた情報ではとっても寒い所ということでした。日本に実際に来て過ごしてみると、私の住んでいた都市と帯広市は発展具合や地形などが全く違いますが不思議なことに、ここが地元のように思えます。帯広はとても美しい光景が広がり、食べ物も美味しく、人々もとてもやさしいです。歩いていると、皆さんは必ず「こんにちは」と挨拶してくれます。そのことが、とても嬉しかったです。

マリーさん:私の帯広での滞在は常に楽しくワクワクする日々です。帯広や日本で見聞きすることは感心させられます。こんなにすんなり日本の社会に溶け込み楽しい日々を送ることができている要因の1つは、日本とパプアニューギニアの時差が少ないからだと思います。日本とパプアニューギニアの時差は1時間だけで、パプアニューギニアの方が1時間早いです。時間の差があまりないので、最初からスムーズに楽しくプログラムをこなせています。

Q.皆さんが十勝で学んでいることを教えてください。

ムハさん:今回の小学校理科教育のコースでは特に理科のカリキュラム設定や、子供たちの理科に対する興味・関心をいかにして高めるのか、そして教師が実際の授業でどのように子供たちを導くのかについて学びました。このような機会を提供してくれたJICAや日本の皆さんにこの機会をお借りしてお礼を述べたいと思います。日本の人々はとても素晴らしく、そして素晴らしい教育システムをもっていると思います。

ディナさん:私が日本に来て学んだのは、時間の使い方「時間の価値」についてです。正確な時間を刻み、みんながそれを共有することがとても重要だということです。私は帯広での最初の2日間は、その「時間」の感覚に慣れていなく戸惑うこともありましたが、直ぐに慣れることができました。教育についてですがムハさんと同じように、私たちに日々丁寧に指導してくれている北海道教育大学の境先生と中山先生に感謝を伝えたいです。そして日本の教育でとても重要にしていることについて学びました。日本の先生は毎回の授業において「予測・探求・結論」3つの段階を1つの授業(時間)内で成し遂げようとしていることなどは、大変参考になりました。

Q.日本の皆さんへ伝えたいことはありますか。

ムハさん:日本の皆さんは本当に素晴らしいです。英語力の不足はあまり気にしなくても良いと思います。英語のできる・できないで評価をする必要はないと思います。日本の人々はとても知性に溢れていますし、何よりもゴールドメダルのような心をもっています。私は日本に生まれてみたいと思いましたし、もっと長く住んでみたいとも思いました。世界をより良い場所にするためにもみなさんのような人々が必要です。モルディブに帰ったら家族や知人に日本の良かった思い出などを伝えていきたいと思います。帯広・日本は私にとっての第2の「故郷」となりました。今の取組みを今後も続けてください。日本は世界でも1番と言えるすばらしい国です。

ディナさん:まずは、十勝に住む人々にお礼を言いたいです。特にJICAの人々にはお世話になりました。常に先回りをして私たちをサポートしてくれました。また、視察を受入れてくださった関係機関の方にもお礼を申し上げます。そして最後に十勝で出会った全ての人が私たちに愛情を注いで下さったことに感謝いたします。本当にありがとうございました。

マリーさん:まず私たちを「おもてなしの心」で受け入れて下さったことに感謝いたします。私たちに素晴らしいレベルで様々なことを提供していただきました。これまで日本の人々が行ってきたことを今後も続けてほしいと思います。日本政府や関係機関、そして市民の方々にもこれからもJICAなどを通じて途上国の人々に対して国際協力を行っていただきたいと思います。そうすれば、これまで以上により多くの称賛や感謝が世界中から日本へ送られると思います。本当にありがとうございました。