【2月3日(金)開催!】東欧・セルビアICT系スタートアップPitchイベント:スタートアップ支援NINJAプログラム参加企業7社が登壇

2023年1月13日

JICAは、セルビア発スタートアップ7社によるオンラインピッチイベント(注1)を開催します。
およそ20社を超える応募の中から選抜された7社に対して、JICAは2022年10月より計3か月間、メンタリングやワークショップ等のNINJAプログラムを提供してきました。本イベントでは、7社それぞれが、プログラムを通して進化した事業についてオンラインでプレゼンを行います。

参加申し込み:以下イベントページよりお申込みください。

(注1)スタートアップが自社の事業を投資家などにプレゼンし、資金調達や認知度向上を目指すイベント

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ICTセクターの成長著しいセルビアのスタートアップ支援

東日本大震災の際に、個人から多くの寄付金が寄せられ、首都ベオグラード市内でチャリティーコンサート等が多数開かれた親日国セルビアでは、近年スタートアップエコシステム(注2)の発展が著しく、現地政府も国家戦略を採択し、スタートアップ育成に力を入れています。同国の経済を支える新たな産業の育成に向け、大変大きな可能性を持つ分野です。また、セルビアを含む東欧諸国は、安価で質の高いエンジニアを有することから、近年、ICTセクターの発展も期待されています。

上記の背景を踏まえ、JICAは、セルビアにおけるICT系スタートアップの更なる発展による同国の雇用活性化を目指し、2022年10月より同国のスタートアップ支援NINJAプログラム(注3)を開始しました。

(注2)スタートアップを取り巻く、投資家や大学、公的機関、大企業などの様々なアクターがネットワークを作り、スタートアップを生み出しながら発展していくシステム。
(注3)Project NINJA(Next Innovation with NINJA)の一環として開催。途上国の社会課題の解決を図り、質の高い雇用創出の契機となる起業家の育成のため、JICAが2020年に開始。

Pitchイベント詳細

  • イベント名:セルビアICTスタートアップPitchイベント
  • 主催:Digital Serbia Initiative(セルビア)
  • 共催:JICA
  • 日時:2023年2月3日(金)20時~22時(日本時間)
  • 配信:オンライン
  • 参加費:無料
  • 言語:英語(日本語通訳有)
  • 参加申し込み:以下イベントページよりお申込みください。

プログラム

  1. 開会挨拶(15分)
  2. NINJAプログラムの概要(10分):Digital Serbia Initiative
  3. スタートアップ7社によるピッチ(13分×7社)
  4. 閉会挨拶(10分)

参加企業リスト

SmartWatering

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農地の灌漑や肥料の状態をリアルタイムで把握し、水やりや肥料散布のリモート操作を可能にするシステムを提供。必要最低限の水と肥料の量を把握することで、水資源を70%節約することを可能にする。また、農家の労働時間削減による人件費削減やワークライフバランスの向上にも貢献する。

インタビュー記事はこちら

Tapni

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NFC技術(注4)を用いた、スマートフォンをかざすことで共有できるデジタル名刺を提供。紙媒体名刺をデジタル化することで業務関係先の管理をシステム化し、更なるビジネスコミュニケーションの活性化を目指す。オーストリアやメキシコにもオフィスを持ち、2022年には100万ドル以上の売上を達成。

(注4)かざすだけで周辺機器との無線通信を可能にする技術。交通系ICカードにも活用されている。

ZenHire

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人材採用プロセスにおけるエントリーシートのスクリーニングや一次面接に加え、不採用者へのフィードバックをAIが実施するサービスを提供。採用に係るコストの削減だけでなく、より企業に合った人材を採用することで、社員のモチベーションの向上と離職率の低下を目指す。

DATA DO

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小売業における企業の売上・在庫データを分析・活用し、オペレーションや生産性、製品、マーケティングの改善等、売上向上に資するサービスを提供する。データ分析やマーケティング等の分野で20年以上の経験を持つメンバー5人で創業、Global Fortune top100に掲載された企業をクライアントに持つ。

OmniShop

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ファッションブランドを対象とし、メタバースやNFT技術を用いたECアプリの開発及び運用サービスを提供する。ブランドが魅力的に見えるようデザインをカスタマイズし、アプリ利用者とブランドが直接コミュニケーションを取れるサービスも提供。

Digital Spark

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BtoC企業の売上向上に貢献すべく、小売店販売員が利用するアプリを提供。販売目標の管理や在庫最適化、販売員の売上実績把握やインセンティブとしての賞与付与をアプリを通して行う。2022年現在、10か国2,815店舗で利用されている。

Easypass

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小学生~大学生の学生と、オンライン個別家庭教師をマッチングするサービスを提供。学校の勉強の補習が必要な学生や、学校で学ばない分野・科目を学習したい学生と、授業を増やしたい家庭教師のニーズを結びつける。昨年の創業から既に3000人のメンターを確保しており、当該サービスにおいてバルカン地域の先駆者となることを目指す。

参加企業へのインタビュー

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Zenhire代表Vladimirさん

参加企業のうちの一社であるZenHireの代表Vladimirさんにインタビューを行いました。ZenHireは、民間企業の人材採用プロセスの一部をAIが担うことにより、候補者の平等な自己アピールの機会の確保と、企業の作業効率向上を可能にし、企業によりマッチする人材の採用を目指しています。

なぜ本事業を始めようと思ったのですか?

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Zenhireが開発したAI面接の様子

自分の友人が、大学卒業後の就職活動でエントリーシートを50社以上に送ったものの、その後の面接には一社も進めず、自信を失って辛い思いをしていたことが原点です。企業側は大量のエントリーシートが送られてくる中、限られた時間で評価するために、一つ一つを丁寧に読むことができません。その結果、才能ある応募者が適切に評価されず、面接に進めないことは双方にとって非常に残念なことだと考えました。エントリーシートに左右されがちな採用プロセスを変えるべく、私たちのサービスでは、応募者全員にAIによる一次面接を行うことで、全員に自己アピールの機会を提供します。具体的には、一次面接では、あたかも人間のように見えるAIリクルーターとオンラインで会話し、その様子を録画します。そして、話している内容はもちろん、発言の流暢さ、語彙力や言葉遣いなどからAIが心理学の観点も踏まえて応募者を評価し、採用担当の人間に内容を報告します。2次面接以降は人間が担当するといった流れです。また、不採用者には、AIによるフィードバックも行います。無機質な不合格通知が来ると気が滅入りますし、何が足りなかったのか分からないですよね。不合格者にも丁寧な連絡をすることで、企業のイメージアップにもなると考えています。

なぜNINJAに参加したのですか?また、NINJAに参加して良かったことは何ですか?

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プログラムでのワークショップの様子

今後、更に人々のニーズに合ったサービスを開発して、販売戦略を立てたいと考えていました。NINJAでは様々な経験を有するメンターに支援してもらえると聞き、とても魅力的に感じました。

実際に、メンターはアドバイスの提供だけでなく、サービスの実証実験の参加者を集めたり、戦略を一緒に考えたりと、大変実用的な支援をしています。

今後の目標を教えてください

カスタマーサービスに携わる人材の採用をAIで支援する企業として、世界一になりたいと考えています。世界中の様々なコールセンターや、営業職として働く人材の採用に携わりたいと考えています。コールセンターのようなコミュニケーションを主とする仕事だと、採用プロセスにおける面接の重要性が高まりますから、私たちのサービスの意義が更に高まると考えています。その企業に本当に合った人材を採用して、高いモチベーションを持ち、仕事に自信を持って活躍できる人を増やすことが私たちの目標です。

日本人へのメッセージはありますか?

特に若い人に伝えたいのですが、夢を諦めないでほしい。私は7年間異なる仕事をしてきて、スタートアップの起業においても本当にたくさんの失敗をしてきました。しかし、そのような経験も全て結びついて、今の事業に集約されています。自分が本当に好きなことは何なのかを突き詰めれば、失敗しても道が見つかると信じて、真っすぐに突き進んでほしいです。

本事業に関する連絡先

今後、2月8日(水)16時より、セルビアのスタートアップの環境について、日本国内向けの報告会を開催予定でございます。上記参加企業、2月3日のピッチイベント、その後の日本向け報告会やピッチイベント等本プログラムにご関心のある方は、以下までご連絡ください。

国際協力機構(JICA)中東・欧州部 欧州課 佐々木あみ
メール:Sasaki.ami@jica.go.jp