名前:THA Pisey さん(カンボジア)、
WAHYUNINGTYAS Indah Sri さん(インドネシア)、
MUCHTAR Ansoriさん(インドネシア)、
AROONWATTANASKUL Kritさん(タイ)
研修コース名: イノベーティブ・アジア*
所属先:京都大学大学院 工学研究科 修士課程
研修期間:2017年9月から2020年3月まで
2020年3月23日、桜も咲き始めた快晴の中、4名のイノベーティブ・アジア長期研修員(留学生)が京都大学大学院の修士課程を修了しました。
新型コロナ感染拡大の影響を受け、学位授与式は中止となりましたが、それぞれが所属する工学研究科の専攻ごとに学位授与が行われました。研究生期間も含め、2年半の日本での研究活動や生活の感想、そして今後の展望についてのメッセージを紹介します!
(*イノベーティブ・アジア事業:アジア途上国のトップレベルの大学から優秀な人材を日本に招へいし、大学院への留学及び日本企業でのインターンシップ等を提供するプログラム。詳細については、下記リンクをご参照ください)
修士課程を修了したばかりですが、私は2年半(研究生6か月、修士課程2年)の間、京都大学で学ぶことができ、非常に幸運でした。この機会はJICAの支援なしには実現せず、JICAイノベーティブ・アジア事業は日本での研究と生活の全般をサポートしてくれました。私はJICAイノベーティブ・アジア事業の研修員の一人として、多くの文化的なプログラムに参加できたことも本当に感謝しています。姫路城や奈良県、シャープミュージアムやその他多くの場所を訪れ、滋賀県では有機米の田植えにも参加し、楽しい思い出となりました。
また、プログラムの初めから終わりまでサポートしてくれた全てのJICAスタッフにも感謝しています。JICAスタッフはいつも暖かく迎えてくれ、サポート体制を整えてくれており、それは私にとって非常に意味あるものでした。この機会に感謝し、自分の知識と経験を社会の利益のために活かせればと思っています。
次のキャリアですが、ありがたいことに日本の建設会社の国際事業部に入り、首都ジャカルタでのMRTプロジェクト(Mass Rapid Transit/都市高速鉄道)に設計技術者として参加することになりました。この機会も、JICAの支援で京都大学で研究できたことにより実現したもので、感謝しています。
最後になりますが、改めて、夢を追いかける私たちをサポートしていただいたことに感謝いたします。ありがとうございました。
京都大学での修士課程修了という非常に貴重な機会を与えていただいたJICAへ深く感謝をしています。JICAによる奨学事業はたくさんありまずが、私はその中のイノベーティブ・アジア事業の一員です。本事業の研修員の一人として、私は毎月の生活費や研究費、毎年の現地視察旅行等、非常に多くの恩恵を得ました。この素晴らしい国に初めて到着した時から今までのJICAがしてくれた多くの支援に対し、本当に感謝しています。
先進国で暮らすことは私にとって貴重な経験でした。また、一人暮らしをするのが初めてだったため、掃除や料理、全ての事を自分でしなければなりませんでした。しかし、日本は世界で最も安全な国の一つであり、生活環境も正直に言うと自国のカンボジアより良いため、女性が賃貸アパートで独り暮らしをするのは辛いことでは全くありませんでした。それよりも大切なこととして、日本は世界で最も時間に正確な国であり、そのため、私は日本での数年間の生活により、以前の自分より自立や時間に正確であること、責任について学ぶことができました。
京都大学で研究生として半年、そして修士課程で2年という期間を、難なく楽に過ごせた訳ではないことを私は認めなければなりません。幸いにも、私には特に指導教官を始めとし、助けてくれる人々が周りにおり、研究で問題に直面したときはいつでも快く手伝ってくれました。研究室での研究活動に加え、私は木の葉が季節ごとに変化する京都の目の覚めるような美しさを求め、友人たちへよく出かけました。料理をしたくない時には時々外食をし、お寿司やラーメン、天ぷら、しゃぶしゃぶ、うどん、牛丼、味噌汁等の様々な和食を食べてみました。私はラーメンが好きで、それらの中でも一風堂のラーメンが一番好きです。
この数年間研究に励んだ後、私は有益な成果と共に、無事工学の修士号を得ることができました。そして、今はつくば市にあり、世界の水災害に関するリスクマネジメントについて研究しているユネスコ後援の機関でインターンシップを行っています。(2020年)9月まで水災害リスクを低減するのに役立つ実用的知識と技術についての研修プログラムに参加するために滞在する予定です。世界の水に関わる分野における自身の技術や知識を高めるため、ここでのインターンシップが終わった後は水に関わる国際機関で働こうと考えています。自国や自身の専門性が必要とされる場所で力を発揮したいと強く思っています。
初めての日本訪問でしたが、一目でこの国を好きになりました。人々がとても礼儀正しく親切で、私が困っていると、日本語を正確に話せなくても誠意を持って手伝ってくれます。市街地は清潔で便利で安全です。どこでも簡単に電車で移動することができ、誰かがスリを働くことを心配する必要はありません。日本食はいつも興味深くておいしく、日本での食事を満喫しました。私は素晴らしく、そして安らげる場所である京都に滞在しました。ここには多くのユネスコ世界遺産があり、大きなデパート、環境の良い公園、素晴らしい美術館や建築、そしてにぎやかなナイトクラブ等、することがたくさんあります。日本での生活は私にとって最も素晴らしく、忘れられない経験です。
京都大学を卒業後、日本の建設会社で働くため、千葉県へ転居しました。私はベストを尽くし、社会に貢献をしたいと思っています。
最後になりますが、日本で自身の研究を進めるという名誉ある機会を提供してくれたJICAに対し、感謝の意を表したいと思います。本当にありがとうございました。
海外の教育で高い学位を取得することは私が人生において達成したい夢の一つです。JICAイノベーティブ・アジア事業のおかげで、私は日本の一流大学の一つである京都大学 工学修士課程を卒業し、夢をかなえることができました。研究の間、私は学生生活やJICAが紹介してくれる日本文化、日本の季節ごとの美しさ、日本の生活様式等の多くのことを経験し、楽しみました。その時間の中で、私は日本に滞在することを決心し、JICAイノベーティブ・アジア事業の目標にも関係する日本での就職活動を始めました。何度か試みた後、大阪に拠点を置く化学企業で働くことになりました。私の知識が社会に貢献するものになればと思っています。
最後になりますが、これから先、私の経歴が日本-インドネシア間の協力に関係するものになればと願っています。
以上、日本での研究を終え、次のステップへ進んでいる4名の方からのメッセージでした。
新型コロナ感染拡大により、世界のどこにいても日常生活や移動が制限された苦しい状況が続いていますが、こんな状況だからこそ、私たち全員がそれぞれの経験を世界全体で共有し、相互に学び、共同で問題に取り組むことが必要です。それぞれの場所でこの事態を乗り越え、そして、コロナ後の世界ではそれぞれの専門性を活かし、持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向け進んでいけるといいですね。更なる活躍と、その報告を楽しみにしたいと思います。
(JICA関西 業務第一課 吉田)