jica 独立行政法人 国際協力機構 jica 独立行政法人 国際協力機構

所長挨拶

JICA関西のホームページをご覧頂き、ありがとうございます。JICA関西は、兵庫県神戸市を拠点に、日本政府の国際協力(ODA)の実施を一元的に担うJICAの関西地域の窓口を務めています(注1)。関西2府4県(滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山)の自治体、民間企業、大学、NGO/NPO等、多様な国際協力の担い手の皆さまと共に、相手国と関西の双方に価値をもたらすことを目指した国際協力事業を展開しています。

具体的には、開発途上国の国づくりの中核を担う政府やビジネス界の中堅リーダーの方々を年間1,000名以上関西に招き、関西の強みである防災やものづくり、環境管理分野などの知見・技術を共有する研修プログラム、関西地域の民間企業の海外展開を後押しする中小企業・SDGsビジネス支援事業、JICA海外協力隊の派遣事業などを展開しています。関西の多くの学校現場にも出向き、海外とのつながりの意義や必要性をお伝えしています。近年は、外国人材の受入促進や、多文化共生社会の形成のために、自治体や、民間企業などの皆さまの側面支援も行っています。

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こうした一連の取り組みには、知見共有の他に、「縁つなぎ」という意義があります。JICAは「信頼で世界をつなぐ」を組織のビジョンに掲げています。感染症、気候変動、紛争などの複合的危機が長期化し、国内外の分断も深刻化する世界の中で、ビジョンに掲げる「信頼」は、地域や国が持続的に発展するために益々重要になっています。

そうした中、2024年は日本政府が国際協力(ODA)を開始してから70年の節目でした。2025年は、阪神・淡路大震災から30年(1月)(注2)、JICA海外協力隊開始から60年(4月)、戦後80年(8月)、日本国際博覧会(大阪・関西万博)(4-10月)、第9回アフリカ開発会議(TICAD9)(8月)などが重なります。

大阪・関西万博のテーマである「いのち輝く未来社会のデザイン」は、JICAの文脈では、ミッションとして掲げている「『人間の安全保障』と『質の高い成長』の実現」に通じます。これまで当地の国際協力の歴史に関わって下さった方々に感謝しつつ、2025年の歴史的な節目や国際的な催事を活かし、個々の取り組みを通じた縁を広げ、深め、関西と世界の有意義な相互協力の歴史を紡げるよう、工夫し続ける所存です。

なお、JICA関西の一階スペースは、「JICAかんさい地球ひろば」として一般に開放しており(年末年始除いて年中無休・無料)、開発途上国や国際協力についての展示コーナー・資料室や、世界の料理を楽しんで頂ける食堂がありますので、お気軽にお立ち寄り下さい。

2025年4月
JICA関西センター
所長 木村 出


(注1)連載中の「JICA関西センター物語」に、その沿革を詳述しています。https://www.jica.go.jp/Resource/kansai/office/story/index.html
(注2)JICA関西は、「HAT神戸」にあります。1995年の阪神・淡路大震災後に、復興のシンボルの一つとして開発された神戸市の東部新都心の愛称で、「Happy Active Town」の略称です。六甲山系の摩耶山の南、ウォーターフロントに開けるこの地域が、ハッと変貌し、誰もが幸福で、活気あふれる街となるようにとの願いが込められ、公募を経て命名されました。

【ご参考】
●世界と関西をつなぐJICA事業(2府4県別の事業概観)
https://www.jica.go.jp/domestic/kansai/activities/connect/index.html

●「一生ものの『縁つなぎ』を」
2023年6月 公益財団法人 太平洋人材交流センター “PREX Island”
https://www.prex-hrd.or.jp/prex_island/7151/

●United Tomorrow Vol. 27 インタビュー
2024年7月
https://united-tomorrow.com/pdf/UT27?fbclid=IwZXh0bgNhZW0CMTEAAR0XvbtNEunJvUFcSZc4zZmP_l8rNJJbfS4H3mejEcPDEPWWaAPybsmXAdw_aem_wSWde3DtqdTjfvhfI35cMg

●トルコ・シリア大地震から2年 兵庫県から被災地など視察
2025年3月3日 サンテレビジョン
https://youtu.be/MsaWWEVE4Ww?si=YNSH3iYtZDErhKrr