国際防災研修センター(DRLC)設立背景と目的

設立背景

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阪神・淡路大震災後、再開発された神戸市六甲道エリアを視察(災害に強いまちづくり戦略コース)

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災害派遣精神医療チーム(DPAT)研修の様子(災害におけるこころのケアコース)

1995年に発生した阪神淡路大震災(兵庫県南部地震)は、近代日本が初めて経験した都市直下型地震であり、兵庫県神戸市を中心に甚大な被害をもたらし、死者6,434人、被害総額が約9兆9,268億円に及ぶ未曾有の大災害となりました。
しかし、国内に留まらず広く世界から多くの支援を受け、被災地域は急速な復旧を実現し、総力を挙げて復興に努めました。この経験と教訓を基に、現在も防災減災に重点を置いた社会作りを積極的に推進しています。
この大震災から10年目の2005年1月に神戸市で開催された「第2回国連防災世界会議(兵庫会議)」では、その後の世界の防災戦略の指針となる「兵庫宣言/兵庫行動枠組2005-2015」(通称HFA)が採択されました。HFAでは、世界の災害被害軽減に向け、国際的な協力を通じた、開発途上国の災害対応能力を緊急に強化することの必要性が謳われ、特に災害の予防、被害軽減、備え、脆弱性の軽減の重要性が強調されました。
国際防災研修センター(Disaster Reduction Learning Center:DRLC)は、HFAの採択を受け、JICAと兵庫県とが協力して2007年4月に設立したものです。

目的

JICA関西が位置する「HAT神戸」は、阪神淡路大震災の復興シンボルプロジェクトとして神戸市東部の臨海地に整備された新都心であり、人と防災未来センターやアジア防災センター、また国連防災機関(UNDRR)や国連人道問題調整事務所(OCHA)などの防災関連の国際協力機関が数多く集積しています。
DRLCは、こうした様々な防災関連機関、国際機関と連携して、防災人材育成の視点から、阪神淡路大震災などの日本の災害経験と知見に基づく防災の取り組みを広く効果的に世界に発信し、開発途上国の防災力向上を目指します。

活動内容

DRLCは、日本の知見、特に阪神淡路大震災を通じた兵庫県や神戸市などの経験と教訓を活かし、開発途上国の国づくりと人づくりを支える防災分野研修の拠点として、次の活動を展開します。

  1. 防災分野研修の企画調整
  2. 防災分野研修の効果的実施
  3. 防災分野研修における人的ネットワークの構築とその有機的な活用
  4. 防災分野研修のリソースに係るデータベースの整備
  5. 兵庫県の防災知見の国際防災人材開発への活用

仙台防災枠組への貢献

兵庫会議から10年後の2015年3月に仙台市で開催された第3回国連防災世界会議では、「仙台防災枠組2015-2030」が採択されました。
「仙台防災枠組2015-2030」では、「兵庫宣言/兵庫行動枠組2005-2015」を発展させた形で、防災の事前投資の重要性、防災主流化の促進、災害後の復興過程における「より良い復興(Build Back Better)」などの考え方が導入され、さらに災害リスク軽減、社会の強靭化の視点、ジェンダーや災害弱者を含む多様なステークホルダーの役割も盛り込まれました。
また、この会議で日本政府は「仙台防災協力イニシアティブ」を提唱し、日本の持つ災害対応に係る豊富な知見を国際協力に一層活用していくこと、具体的には2015~2018年の4年間で、防災関連分野で計40億ドルの協力、4万人の人材育成を実施することが表明されました。2018年末までにこれらの目標は達成されましたが、DRLCはこの期間も防災分野の研修を継続的に実施し、目標達成に貢献しました。
更に「仙台防災協力イニシアティブフェーズ2」では2019~2022年の4年間で,行政官や地方リーダー計4万8千人及び次世代を担う子供たち計3万7千人の合計8万5千人の人材育成防災教育を実施するという目標が設定されました。DRLCは、今後も「仙台防災枠組2015-2030」の視点に則した防災分野の研修を行い、目標の達成に貢献していきます。