神戸大学での学びを活かし、次のステップへ!-工学研究科を修了した長期研修員2名より-

【画像】名前:
・ROZI Muhammad Fakhrur さん
(インドネシア出身。AIを専門とする情報通信技術を研究)
・ARUNOTHAIKRIT Worachatさん
(タイ出身。情報通信技術を研究)
研修コース名: イノベーティブ・アジア*
所属先:神戸大学大学院 工学研究科 修士課程
研修期間:2018年9月から2021年3月まで

2021年3月25日、2名のイノベーティブ・アジア長期研修員(留学生)が神戸大学大学院の修士課程を修了しました。6か月の研究生期間も含め、2年半の日本での研究活動や日常生活の感想、そして今後の展望についてのメッセージを紹介します。

(*イノベーティブ・アジア事業:アジア途上国のトップレベルの大学から優秀な人材を日本に招へいし、大学院への留学及び日本企業でのインターンシップ等を提供するプログラム。詳細については、下記リンクをご参照ください)

ROZI(ロジ)さん  —修士課程修了後、日本で博士課程進学&研究者として就職-

神戸大学にて

日本での修士号取得は私の人生において思いがけないことでした。

日本(兵庫県神戸市)での留学期間中、JICAは外国で学ぶという私の夢を全面的にサポートしてくれました。他の場所や他の機会では得られなかったであろう様々な点で日本を理解する手助けしてくれました。さらに、研究中の私の状況をいつも気にかけてくれました。

日本は留学するのに最適な国の1つで、同時に科学技術と文化の融合を見つけることができます。多くの教育機関には研究するためのすばらしい環境が整っています。教授陣は非常に高い専門性で、私の研究を完成するために全面的にサポートしてくれました。また、日々の生活をサポートしてくれた周りの人々や環境もとても快適でした。

神戸大学の修士課程修了後は、日本の優れた研究機関の一つである国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)の研究職につくことができ、引き続き日本に滞在します。それ以外に、神戸大学の同じ研究室で博士課程の研究も続けます。

最後になりますが、私の夢の実現を支援してくれたJICAのイノベーティブ・アジアプログラムに感謝いたします。神戸での2年半は本当に楽しかったです。私の闘いはまだ終わっていません。そして、インドネシアと日本の協力関係が更に強くなることを願っています。

Worachat(ウォラチャット)さん —修士課程後、帰国しエンジニアとして就職-

学位記と一緒に

私は神戸大学の修士課程を修了しました。それはJICAのイノベーティブ・アジアプログラムという機会がなければ実現しなかっただろうと思います。渡航や生活、日本文化を学ぶ活動等、JICAは日本での生活を全面的にサポートしてくれました。

日本での生活は私の人生において最高の経験の1つです。人々はとても親切で、日本語を話せない私をいつも助けてくれました。神戸は食べ物やデザートがとてもおいしくて、特に牛肉は最高です。交通機関もとても便利で安全です。電車に乗るだけですぐにどこでも行くことができ、私は大阪や奈良、姫路、そして他にも多くの場所を訪れました。

卒業後は母国に戻り、アメリカの不動産ソフトウェア会社でソフトウェアのエンジニアとして働きます。社会や仕事に貢献できるよう自分の知識を活かしたいと思います。

いつもサポートしてくれたJICAスタッフに心から感謝いたします。そして、夢を実現させてくれたJICAにも感謝しています。


以上、日本での研究を終え、次のステップへ進んでいるお二人からのメッセージでした。
卒業から約3か月が経った現在ですが、Roziさんは所属する研究機関と神戸大学によるサイバーセキュリティ分野におけるAI実装に関する共同研究を行っているそうで、情報通信技術(ICT)を利用し、あらゆる脅威からユーザーを守る強いシステムを開発したいとのことでした。また、Worachatさんも職場で毎日とても忙しく、業務に励まれているようです。

新型コロナ感染拡大が世界中で続く中、大学生はキャンパスや研究室への出入りが制限され、指導教官や研究室のメンバー、友人と対面でコミュニケーションをとれる機会が格段に減ったり、卒業後のキャリアに関わるインターンや就職の機会が減少したりしています。また、国境を越えた移動も制限される中、留学生は母国への一時帰国を諦め、家族と過ごしリフレッシュする機会もなくなっています。ロジさんとウォラチャットさんも新型コロナによってプログラム後半は困難な思いをしたことでしょう。

そんな中でも研究をやり遂げ、その専門性や経験を活かし次のステップへ進まれたお二人に敬意を表し、ますますの活躍を期待したいと思います。

(JICA関西 業務第一課 吉田)