高校生のみなさんに開発途上国の現状やその多様な価値観を知り、日本と開発途上国の関係や国際協力の大切さを理解してもらい、日常生活の中でどう行動につなげるか考えてもらうため、このプログラムを実施しています。
JICA高校生国際協力セミナーでは、日常の「モノを買う」という行為と、開発途上国が抱える「貧困」や「環境破壊」などの問題との関係性をあらためて認識した美幌高校の生徒たち。
「問題を解決していくために、高校生である私たちができることは一体なんだろう?」
生徒たちが出した答えは、開発途上国の原料や製品を適正な価格で購入することで、途上国に住む生産者や労働者の生活改善につなげるという「フェアトレード」を使った取り組みでした。生徒たちは学校祭の屋台で、フェアトレードで購入したネパール産のスパイスを使った鶏肉の「ピリ辛焼き」やドミニカ共和国産のココアを使ったドーナツ「ドナオ」を販売。また、青年海外協力隊(青少年活動)としてザンビアで活動していた清水先生の協力を得て、フェアトレードとは何か、開発途上国ではどんな問題が起こっているのかを看板にまとめ、ザンビアの写真とともに展示し来場者にアピールしました。商品は行列ができるほどの大人気で、多くの人が看板に目をとめていました。日本では欧米に比べて認知度が低いこのフェアトレード。高校生が国際協力に率先して取り組む姿は、多くの人にフェアトレードの取り組みを知ってもらえる大きな一歩となりました。
美幌高校では、さらなる活動も進んでいます。遠別町で行われた日本学校農業クラブ北海道連盟主催の全道意見発表大会に出場した種房さんは、学校祭でのフェアトレードを通じた国際協力の取り組みの経緯を発表し、環境部門で最優秀賞に選ばれました。
JICA高校生国際協力セミナーをきっかけとした、高校生たちのさまざまな取り組みはこれからも続いていきます。