奈良県開発教育ワークショップ第1弾「世界がもし100人の村だったら」in奈良市【講師:佐藤友紀さん】

2023年6月13日

和やかな雰囲気の中、アイスブレイクが行われました。

JICA関西は、5月28日に奈良市で開発教育ワークショップを開催しました!
参加者は40名を越え、10代から30代が半数以上を占めました。参加型ワークショップならではの手法が凝らされ、世界の現状を可視化しながら、参加者同士でも活発な意見交換がなされました。佐藤講師のお話を聞いて、多様性や格差を「体感」することで、参加者のみなさんが課題解決に向けての一歩を踏み出すきっかけになっていれば嬉しいです。

参加型ワークショップの内容

大陸ごとの人口密度を体感!

チョコレートを用いて経済格差を可視化!

毛糸によって各課題が複雑に絡み合っていることが分かりました。

佐藤講師による進行で、参加者のみなさんには主に以下の内容を体験いただきました。
【100人村のシミュレーション】
◆「言語」について…配られたカードに書かれている挨拶の言葉を互いに言い合い、仲間探しをしました。
◆「大陸」について…紐が大陸の大きさ、参加者が人口密度を表し、大陸ごとの人口密度を可視化しました
◆「飢餓」について…配られたカードに描かれている果物の割合から、世界の飢餓状況を知りました。
◆「貧困」について…所得ごとのグループに分かれ、世界の富の配分についてチョコレートを用いて可視化しました。
◆「識字」について…病気の子どもが家にいると想定して、外国語で書かれた文字の飲み物から、どれが薬かを推測しました。薬を例に、文字が読めても服用時の注意点など意味理解ができなければ、役に立たないことを知りました。
【展開のアクティビティ】
◆「ウーリーシンキング」…毛糸を用いて100人村やSDGsなどから見えてきた課題同士の関連性について考えるワーク。「水資源」や「人口問題」、「食料の偏り」などの課題ごとにグループを分け、関連があると考える課題のグループがあれば、根拠を伝え、相手が納得したら毛糸を巻き付け課題が複雑に絡み合っていることを体感しました。

参加者アンケートの声

100人村の物語の背景には9.11と関連していることを知りました。

グループディスカッションの様子

100人村の原文の最後を紹介。「わたしたち」ではなく、「わたし・たち」との訳には他力本願にならず、「わたし」から歩みだそうという願いが込められている。

アンケートでは参加者の満足度が高く、以下のようなコメントをいただきました。
●自分ごととして擬似体験できたことで、世界のことをより身近に考えることができたように思う。
●世界の現状に目を向けるきっかけになりました。自分にとって馴染み深い本が、9.11を契機としてつくられたということは、恥ずかしながら知りませんでした。世界には様々な思いを抱え、困難な状況のなかで生きている人がいることを改めて感じ、世界のために自分ができることを模索しようと思いました。
●世界がどんな状況なのか、実感できました。1人の力は弱いと思っていましたが、自分が興味を持ち、少しでも発信していくことで少しずつ変わっていくということが印象に残りました。
●聴く、話す、動くのワークがバランスよくあったことで、とても意欲的に学び続けることができました。
●あらゆる問題について関わりがあるか?を毛糸で繋いでいくと、自分では関わりが無いと思っていた事が、他の人の話や意見を聞くと繋がっているんだとわかりました。
●本日は楽しいイベントを企画してくださりありがとうございました。中学や高校でやったときより自分自身の知識量が増えていた事や、内容がより詳しく、分かりやすいイベントになっていたため前にやったとき以上に楽しめました。
●全体を通して、大変素晴らしい時間を過ごすことができました。講師の先生をはじめ、スタッフの方々、誠にありがとうございます。今日自分が体験したこと、得た知識をまた授業や行事を通じて広めることができるように努めて行きます。本日は本当にありがとうございます。

お知らせ

このワークショップは、「奈良県開発教育シリーズ」として4回開催します。
7月には、開発教育ワークショップ第2弾を「一歩前へ! —わたしが見つけた多文化共生—」と題して、「地球市民フォーラムなら」の丸山講師をお迎えして開催予定です。「地球市民フォーラムなら」には、奈良県内で毎年2月に開催している「国際教育入門セミナー」でも、講師を引き受けていただくなどの協力をいただいています。
本年2月に橿原市で開催した「国際教育入門セミナー2023 in 奈良」でも、「食と気候危機」と題したワークショップで、データをふんだんに用いて気候変動ではなく気候危機に直面していることを分かりやすく紹介いただき、気候危機に取り組むために身近な場所で起こっているアクションとして、給食におけるフードロス削減の工夫を紹介いただくなど、ご協力いただきました。
この「国際教育入門セミナー」は、今年度も2024年2月に開催予定です。こちらにも、ぜひご参加ください。