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【開催報告】ペルー日本人移民120周年記念巡回展記念講演会「ペルー日本人移民の歴史とマチュピチュ村を創った野内与吉の生涯」が開催されました。

2019年11月6日

 世界中から観光客が訪れる、ペルーの世界遺産マチュピチュ遺跡。その麓にあるマチュピチュ村を発展させ村長まで務めたのは、日本人移民 野内与吉(のうち よきち)氏です。
 与吉氏のお孫さんで日本マチュピチュ協会会長 野内セサル良郎さんによる記念講演会が2019年10月26日(土)、愛媛県のあかがねミュージアムで開催されました。

日本人移民の歴史と野内与吉氏の生涯

あかがねミュージアム館長 阿部義澄氏

 1899年 第1回日本ペルー移民790名が佐倉丸で横浜港を出発したのが、ぺルーへの日本人移民の始まりです。現地での日本人移民の生活はサトウキビ農園での過酷な労働、都市部への進出と日本人排斥、第二次世界大戦等、幾多の困難に遭遇しながらも乗り越え、ペルーにおける日系人社会を形成してきました。
 
 マチュピチュ村を活性した野内与吉氏は福島県生まれ。1917年21歳の与吉氏は、ペルー行きの契約移民募集を目にし、新たな世界への希望や夢を抱き、渡航を決断したそうです。両親や兄弟の反対を押し切り渡ったペルーでの生活は、サトウキビの農園での過酷な労働と賃金の未払いなど、思い描いた生活とは全く異なっていました。
 マチュピチュ村での生活が始まった与吉氏の生活は、村人との信頼関係の中、人々の生活に絶対必要な水や電気を村に引き、村人全員の暮らしを向上させたそうです。当時は観光地としては無名だったマチュピチュ遺跡が、今のような観光地になるには、この与吉氏の貢献がなくてはならないものでした。

与吉氏の孫、野内セサル良郎氏の活動

日本マチュピチュ協会会長 野内セサル良郎氏

 講演をしてくださった野内セサル良郎氏は、ペルーのクスコ市生まれ、16歳の時に来日されました。働きながら高校・大学を卒業。現在は南山大学大学院でご祖父与吉氏の歴史とペルー日本人移民移民の歴史を研究されています。2004年頃から東海地方でペルーの文化紹介活動を始められ、2014年に日本マチュピチュ協会を設立されました。与吉氏のペルーでの活躍をより多くの方に知ってもらう活動とともに、マチュピチュ村や周辺の小学校へ学用品を届ける活動もし、両国の友好の発展にご尽力されています。

当日は講演会後、愛媛在住のアンデスミュージシャン アントニオ・カマケ氏のカフェコンサートも開催されました。ペルーの楽器の紹介もあり、最後はみんなで踊ってとても盛り上がりました。

あかがねミュージアムでは、9月28日より11月10日まで「ペルー日本人移民120周年記念巡回展~マチュピチュ村を拓いた男 野内与吉とペルー日本人移民の歴史~」が開催されています。野内与吉氏が実際に現地で使用された工具なども展示されています。ぜひご来場ください。