第3弾SDGsラジオ!フィジーとブラジルでの国際協力

2019年5月22日

【画像】札幌市の地域ラジオ番組、FMアップル「香るパラダイス」がJICA北海道とコラボ。毎月一回の生放送で、SDGs(持続可能な開発目標)と国際協力について発信します。
第3弾のSDGsラジオは、フィジー派遣中の青年海外協力隊と、北海道ブラジル移住100周年にちなんで元日系社会青年ボランティア&4月に着任したJICA北海道所長が内容充実のトークを繰り広げました!

日本で経験したことをフィジーで活かして

理学療法士としてフィジーに派遣されて約半年が経った中尾学人さん。SDGsについては駒ヶ根訓練所で派遣前訓練をしている間に色々と調べたそうです。理学療法士として病院・大学教員と8年の実務経験を経て青年海外協力隊に応募しました。

SDGs達成に向けて健康と福祉の【ゴール3】、貧困に関わる【ゴール1】を挙げてくれました。

生活上必要な動きが出来るようにサポートする理学療法士として、糖尿病予防のための運動療法や車椅子ユーザーにも優しい住環境づくりのアドバイスなど、多岐にわたる業務を行っているそうです。

2018年のデータで糖尿病で亡くなる人の数が世界第一位(!!)というフィジー。炭水化物中心の食生活や移住したインド人が持ち込んだ油っぽい食事などが影響しているようです。低所得者ほど食べ物が偏るので生活習慣病リスクが高くなるし、「砂糖は健康にいい」と信じている人も多いとか。砂糖の過剰摂取していることに気づいてもらえるよう、お菓子やジュースに含まれる砂糖の量をスプーン何杯分と「見える化」して住民に説明しているそうです。
「1週間に1度だけなら甘いものを食べていいよ」とストレスをためず長く続けてもらえるようなアドバイスを心掛けているそうです。

地球の反対側ブラジルは「遠くて近い国」

後半はブラジルの話題に。2014年まで日系社会青年ボランティアとして活躍した松原有希さんは、ブラジルの日系社会で日本語だけでなく、ダンスやアニメ、折り紙など日本文化の紹介をしました。1908年の初代移住に始まり、日本にルーツを持つ人たちがブラジルにもたくさん増えています。世代交代して日系3~5世を中心に教えていた松原さん。リクエストがあれば色んな町に行って習字やよさこいを教えたりしたそうです。

その経験を活かして、愛知県ではブラジルからの出稼ぎ労働者の子どもたちに日本語指導したり、現在はJICAほっかいどう地球ひろばで地球案内人として世界のことを伝えるお仕事に携わっています。北海道でも観光だけでなく生活の中に外国人が増えてきたと体感しているそうです。

今年4月に着任した斉藤顕生JICA北海道所長は、3月までJICAブラジル事務所長でした。昨年の政権交代で明るい兆しが見え始めたブラジル。退職時の給料が生涯払われる年金制度の改革で財政改善に取り組んでいるそうです。

一方で、貧困問題もまだまだ深刻。農村部から都市部に人が移動して貧困層の住む地域ができると新たな課題を引き起こして、下水やごみの問題が生じたり、気候変動の影響で水害が起こりやすくなっているので彼らの住居が押し流されたりするそうです。

松原さんの教育活動はSDGsの【ゴール4】に、斉藤所長が紹介した水の問題は【ゴール6】に関わっています。

日本とブラジルがパートナーとして地球規模課題の解決に取り組んでいく。そして日本人というアイデンティティを共有する存在として日系人とつながりを深めていく。北海道ブラジル移住100周年を機に、是非みなさんもブラジルとの関係について考えてみてください。

【画像】次回のSDGsラジオの放送は5月22日(水)17:00~18:00!
再放送は5月23日(木)23:00~24:00と5月26日(日)15:00~16:00の2回です。
世界と日本をつなぐ教育活動に携わってきた花川北中学校の橋詰典明校長先生と、難民支援に関わる国連UNHCR協会の山下芳香さんからお話しを伺います。

札幌市内の方はFM76.5MHz、インターネットラジオでは「リスラジ」または「サイマルラジオ」アプリをダウンロード。

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           (文責:JICA北海道 市民参加協力課 野吾奈穂子)