第8弾SDGsラジオ! 大学生が語るSDGsに対する思いと行動

2019年9月10日

インターンに参加した大学生
(前列左から駒本さん、高原さん、田中さん)

札幌市の地域ラジオ番組、FMアップル「香るパラダイス」がJICA北海道とコラボ。毎月一回の放送で、SDGs(持続可能な開発目標)と国際協力について発信しています。
第8弾のSDGsラジオ(9月4日放送)、前半はJICA北海道(札幌)のインターンシップに参加した大学生3名がそれぞれ関心のあるSDGsのゴールについて語り合いました。後半ではJICAと連携協定している北海道大学の大学生2名が、スポーツを通じた平和構築について語りました。
以下、それぞれの大学生からの報告です。

インターンシップに参加してSDGsを行動に

ひとつの課題が複数のゴールに

JICA北海道(札幌)のインターンシップに参加した藤女子大学の駒本です。第8弾のSDGsラジオに、酪農学園大学の高原さん、東海大学の田中さんと共に出演しました。私たちが関心のあるゴールは全部で6つ挙がりました。その中でも興味深かった2つの事を紹介します。

まずは高原さんが話してくれた、コーヒーという一つの事例に関わる問題に取り組むことでSDGsの複数のゴールの達成に貢献できるということ。コーヒーはとても身近なものですが、そこにはいくつかの問題が生じています。例えば、主なコーヒー栽培地は生物多様性の高い地域であるため、環境に配慮した栽培をしなければならないということ(SDGs15番)。更に、1杯約300円でコーヒーを買うと、生産者の収入は3%の9円だけであると言われており、フェアな売買が必要であるということ(SDGs12番)。このようにコーヒーひとつの問題に、SDGsの複数のゴールが関わっているというのは面白いですよね。

人間が出したゴミを誤って口にした海洋生物が死んでしまう

もう一つは14番の海の豊かさの話題から、プラスチックごみの話題に。空気中にはマイクロプラスチックが飛び交っていますが、私たちは1週間でクレジットカード1枚分のプラスチックを吸い込んでいるという恐ろしい事実を田中さんが教えてくれました。ごみを出さないことの大切さをどうしたら様々な年代の方に意識してもらえるのか。
私はシステムが変われば、すべての方がごみを出さないことが当たり前という認識になるのではないかと考えました。最近ではアパレルショップでもエコバッグを推奨しているお店が出てきているようです。
また高原さんは、かわいいエコバッグや飲み物用のエコバッグの存在が、かわいい!インスタ映えする!などの別の観点からの使用が増え、自然とごみ問題の解決につながるのではないかと話してくれました。

私たちはインターンシップに参加したことで、今まで”知っている”だけだったSDGsの重要性を再確認し、それを意識して行動に移すようになりました。国際協力もSDGsも知ることは簡単ですが、それを行動に移す第一歩を踏み出すことが難しい。その一歩のきっかけとなる、とても有意義なインターンシップでした。
リスナーの皆さんにもSDGsに貢献する小さな行動を起こしていただけたらと思います。

                                 (文責:藤女子大学 文学部3年 駒本和音)

【画像】

「スポーツ」を通じた平和への貢献

スポーツと平和構築について話す上川さん(写真左)と江連さん(写真中央)

JICAの連携協定に基づき、JICAの活動事例を中心にSDGsと国際協力の概要を学ぶ「国際協力論」という講義の本年の受講者でした。特に、私たちのグループではSDGsゴール「16.平和と公正をすべての人に」を扱いました。講義では学ぶだけではなく、受講している生徒自身が社会問題解決のため行動を起こす、能動的な姿勢が求められました。その活動の一環として、今回ラジオに出演する機会をいただきました。

スポーツを通じた平和構築の事例として、南スーダンを取り上げました。南スーダンは、2011年に独立したばかりですが、1956年植民地から独立してから半世紀間も内戦状態が続いており、今でも政情が不安定な国です。また、国民の3分の1が難民・国内避難民だと言われています。
JICAでは、インフラの整備やコミュニティづくりの支援など様々な取り組みを行っています。スポーツを通じた平和構築への取り組みも同時に行われています。例えば、2016年から南スーダン政府と提携し、「国民結成の日」と呼ばれるスポーツ大会を開催しています。毎年行われており、徐々に参加地域も拡大、参加人数も増えてきているそうです。
さらに、2016年から南スーダンの選手がオリンピックに参加しています。オリンピックで南スーダンの国旗を掲げ入場することで、南スーダンという国を世界に知ってもらいたい、若者に希望を与え、国の平和と国民の結束を訴えたい、という強い思いがあるようです。東京オリンピックに向けて、群馬県の前橋市が南スーダン選手の長期合宿事業を呼びかけ、南スーダン選手を応援する取り組みも行われています。

【画像】わたしたちはスポーツを通じて、平和構築に必要な様々なことを学んでいます。チームワークやフェアプレー精神を通して、共生精神や相手を尊敬する姿勢、道具を大切にする気持ちなど、人と共に生きるために大切なことを身に着けることが出来ます。
また、スポーツは年齢や言葉、民族を超えて、ひととひとをつなぐ力があるということも語られました。スポーツはこれからも平和と公正を実現するために、様々な形で世界のひとを繋いでいきます。

最後に、SDGsゴールの「16.平和と公正をすべての人に」を達成していくために、私たちとリスナーの皆さんが出来る活動をひとつ共有させていただきました。
身近なイベントに参加してみること。
今まで知らなかった世界、知っていると思っていた世界を知ることが平和と公正の第一歩目です。まずは、いつもなら聞き流してしまう世界のニュースに耳を傾けることから世界の平和と公正に貢献してみませんか。

                                 (文責:北海道大学 農学部3年 佐藤敦志)

【画像】次回の【SDGsラジオ第9弾】の放送は10月を予定しています。日程が決まり次第、ホームページ・Facebookでお知らせ致します。

札幌市内の方はFM76.5MHz、インターネットラジオでは「リスラジ」または「サイマルラジオ」アプリをダウンロード。FMアップル「香るパラダイス」です。

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