ジャカルタ郊外のBSDスマートシティで実証中の自動運転EVシャトルバスがG20に際して開催されるバリのEV展示会(Electric Vehicle Exhibition)に参加-環境と安全に配慮した次世代交通手段の実装に向けて-

2022年11月16日

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国際協力機構(JICA)による「中小企業・SDGsビジネス支援事業 普及・実証・ビジネス化事業(SDGsビジネス支援型)」にて、三菱商事株式会社(東京都千代田区)と株式会社マクニカ(神奈川県横浜市)が実施中の「BSDスマートシティの実現に向けた自動運転モビリティサービス普及・実証・ビジネス化事業」で使用されている自動運転EVシャトルバスが、この度、G20会場のバリ州のヌサドゥアで11月11日から11月16日まで開催されるEV展示会に出展しました。環境に配慮したEVの普及促進を目的とした本展示会には各国のEV車両が並び、インドネシアで活躍が期待されるEVの一つとして紹介されました。

補足情報

ジャカルタ郊外で実証中の「自動運転モビリティサービス普及・実証・ビジネス化事業」とは?

急速な経済成長が進むインドネシアは、同時に、首都圏中心部の過密な交通環境による交通渋滞と大気汚染が深刻な問題となっており、PM2.5の濃度は、世界6位となっています。今回展示する自動運転EVシャトルバスは、ジャカルタ郊外のBSDシティ内のショッピングモールと、オフィスビルで、機能性と安全性、現地での運用可能性を検証しています。EVシャトルバスの利用は、自家用車の利用削減による交通渋滞の緩和及びCO2削減に寄与し、持続的なスマートシティの実現に貢献することが期待されます。自動運転車を運行する事例はインドネシア国内では初めてです。ショッピングモールでの実証は今年の8月に終了し、これまで合計約3,640名を超える方々に試乗頂きました。オフィスビルでの実証は2023年1月初旬までを予定しています。

展示する自動運転EVシャトルバスの特徴

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今回バリで展示されるバスは、高精度の自動運転ソフトウエアや最先端のセンサーなどを搭載した自動運転技術を搭載しています。ソフトウエアやハードウエアの品質保証、現地での実装、運行支援、運用におけるメンテナンスプログラムなどを提供する株式会社マクニカは、日本国内各地で自動運転の普及事業に取り組んでおり、東京羽田イノベーションシティや三重県四日市市、鎌倉市でも実証を行っています。

Sinar Mas Land Ltd.(SML)が取り組むBSDスマートシティ開発について

本展示会は、環境に配慮した交通手段をテーマにしていますが、自動運転EVシャトルバスは、BSD(Bumi Serpong Damai)*シティの環境に配慮した、グリーンイニシャティブとして、現在グリーンオフィスオフィスパークで実証走行に取り組んでいます。グリーンオフィスパークは、その名が示す通り、グリーンな都市開発地域としてのベンチマークとなるべく、環境に優しい素材や、排水リサイクルシステム、太陽光発電による照明器具が利用されています。加えて、二酸化炭素排出削減に向けて、グリーンモビリティの利用も促進されています。

JICA:公共交通指向型開発(Transit-Oriented Development:TOD)の推進

JICAでも、二酸化炭素排出削減に配慮して、鉄道駅やバス停等の公共交通拠点の周辺に都市機能を集積し、自家用車に依存しないコンパクトで環境に優しい都市開発を目指す「公共交通指向型開発(TOD)」を推進、ジャカルタ首都圏を中心に、交通マスタープランの改訂にかかる支援や、都市鉄道整備のための資金協力も進めてきました。BSD Cityでの普及・実証・ビジネス化事業の取り組みも、新しい次世代の公共交通手段の一つとして、都市開発の中に、環境と安全に配慮したテクノロジーを導入することで、より便利で暮らしやすいまちづくりの一助になることが期待されています。

本件に関するインドネシア国内問合わせ先

JICA普及実証事業について

JICAインドネシア事務所担当 中山
電話番号:+62-21-5795-2112(ex.608)
メール:Nakayama.Mariko2@jica.go.jp

広報について

JICAインドネシア事務所広報担当 プトリ
電話番号:+62-21-5795-2112(ex.222)
メール:PutriSiahaan.IN@jica.go.jp