カラチ港及びビン・カシム港治安強化計画の引き渡し式

2019年10月9日

【画像】

本引き渡し式で、スピーチをする古田JICAパキスタン事務所長

10月9日、カラチ港にて、カラチ港及びビン・カシム港治安強化計画の引き渡し式が行われ、古田成樹JICAパキスタン事務所長が、FBR議長とともに同式典に参列した。本案件では、カラチ港、ビン・カシム港における貨物検査の能力向上を図り、パキスタンの治安に否定的な影響を与える可能性のある物資の流入を水際で防ぎ、物資を検査することを目的に、X線ガントリー・スキャナー3台を、カラチ港の東埠頭と西埠頭及びビン・カシム港に配備した。

カラチ港、ビン・カシム港は、海外からの貨物を扱う重要な物流基地となっている。同港は、港湾を有しないアフガニスタンへの物資の中継地点ともなっており、両国の治安安定の妨げとなるような不法な物資の流入を水際で防ぐことは、JICAがパキスタンで重点分野の一つをして目標を掲げている「テロ対策・平和と安定の確立支援」に寄与する。

コンテナーを開けずに実施できる非開披検査の能力は、本プロジェクトの実施前と比較し約3倍となり、本検査能力の向上による、効率的な物流及び適切な徴税の実施は、パキスタン政府の税収の適正化及び同国の経済発展に貢献し、同政府の財務体質の健全化に寄与することが期待される。

JICAは、本案件で、港湾の検査能力向上を図るとともに、JICAが実施する他の無償資金協力「第一次空港保安強化計画」、「第二次空港保安強化計画」にて、空港施設での検査能力向上を実施することで、パキスタン全体を視野に入れた、貨物検査能力の向上に貢献している。