2014年6月2日
スパイスアイランドの異名を持ちナツメグの生産がさかんなグレナダでは、カリブ海沿岸で商業的な延縄漁法でキハダマグロを漁獲し米国へ空輸している。しかし大西洋側では小型の船外機船がトローリング(引き縄)で小型マグロ・カツオ類を漁獲するに留まっている。トローリングはガソリンを消費し燃料費がかさむため、漁師にとって負担が大きい漁法である。
本プロジェクトは2014年5月13日から15日にFAD(集魚装置)を使ったDropline(浮流し縦縄漁法)の講習会を行った。これは「寄せて釣る」漁法で、3〜5個の仕掛けをFADの周りに流して釣るため、省エネ漁法である。かつ、生餌を使い大型魚を釣るので、小型漁船で操業ができるのだ。講習会中は20kgから30kgのキハダマグロを釣り上げることに成功した。この漁法を使えば、小型漁船でも大型船に負けない水揚げが期待できる。
またプロジェクトの進めるCo-management(漁民と行政の共同による漁業管理)活動の一環として、将来品質管理体制が確立できれば、既存の輸出ラインに乗せて彼らのマグロを輸出することができる。
輸出は空輸なので私は漁師さんと「4年後にマグロは空を飛んでいるのだろうか?」と話している。
(石田光洋/漁業管理)
トローリングで漁獲される小型カツオ・マグロ類
Dropline漁具作成中
完成した漁具を前に記念撮影
講習会は立ち見が出るほど
朝4時出漁
出漁準備
生餌を釣り上げる漁師
講習会で釣り上げた25kgのキハダマグロ2本
講習会で一番の大物、約30kgのキハダマグロ