国家災害対策緊急委員会(CNE)等によるコミュニティレベルの「避難計画」策定研修がスタートしました

2019年6月15日

2019年6月1日から15日の間、日本人専門家がプロジェクトのカウンターパート機関である国家災害対策緊急委員会(CNE)とともにプロジェクトパイロット4市(アラフエリタ市、アセリ市、エスカス市、デサンパラドス市)を対象にしたコミュニティレベルの避難計画策定導入研修を実施しました。
また、導入に続き、次のステップとしてエスカス市ベベデロコミュニティ、フィルトロス・ラピドスコミュニティ、アラフエリタ市ガルシア・モンへコミュニティでは避難計画策定のための災害リスク分析実習を行いました。

コスタリカでは、中米広域防災能力向上プロジェクト・フェーズ2(BOSAI2)によるこれまでの協力もあり、コミュニティ防災委員会(CCE)が組織化され、コミュニティレベルでの雨量観測を行うなど、コミュニティ防災活動が活発化しています。これらコミュニティ防災活動の一つとして、自分たちの地域のハザードを理解し、雨量や危険箇所のモニタリング情報を整理して、避難行動に繋げるための避難計画策定の研修が実施されています。

2016年から2017年にかけてプロジェクトでは、土砂発生メカニズムと雨量観測の活用についての研修を実施し、その後はCNEと市役所による活動のフォローが行われ、2017年のハリケーン襲来時には早期の避難が実現した事例もあります。今回の研修では、参加した市職員、コミュニティリーダーがこれまでのコミュニティ防災活動の経験を積極的に活かそうとする姿が見られました。

今後は、中央防災機関と市、そしてコミュニティとの相互協力を通じたコミュニティ防災活動の普及が期待されており、プロジェクトでは引き続き、コミュニティレベルでの避難計画策定支援の活動を続けていく予定です。

作成:佐野 デニス(長期専門家)

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避難計画の導入研修で説明を行うプロジェクトマネージャー

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日本人専門家とコミュニティリーダーが現地でハザードの確認を行う様子

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プロジェクトマネージャー、市役所職員、コミュニティリーダーおよび日本人専門家が地図でハザードの位置を確認する様子

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コミュニティ防災委員会が作成したハザード、避難所や避難経路を示したマップ

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2017年のハリケーンで斜面崩壊のあった箇所の確認。緑に覆われていますが、山の部分に斜面崩壊のあとがわかります

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コミュニティリーダーがコミュニティでの避難所、雨量観測などについて説明する様子