2022年11月30日
11月8日に、プロジェクト・オフィスを構えるシェレバングラナガル看護大学にて、成果2および成果3にかかる初めてのワーキング・グループ会合を実施しました。本プロジェクトでは活動の一部として看護大学の強化(成果2)と病院の実習体制強化(成果3)を掲げており、両輪で活動していくことで看護サービスの改善を目指しています。そのため、活動において今後大学と病院間の連携が必要な部分が多く、両者の活動に対する認識を一致し、顔の見える関係をつくることを目指し初回を合同で実施しました。主な内容は以下の通りです。
【日時】2022年11月8日 8:00~15:30
【開催場所】シェレバングラナガル看護大学(ダッカ市内)
【参加者】合計40名(看護大学16名、大学病院16名、保健家族福祉省看護・助産総局(DGNM)2名、プロジェクトチーム6名(うち通訳2名))
【内容】
(1)ワーキング・グループのTOR(注1)の承認
(2)大学・病院の委員会活動が始動しており発展が見込まれるシェレバングラナガル看護大学、チョットグラム看護大学、チョットグラム医科大学病院による経験共有
(3)今後の活動について両者の意見交換の場となる参加型ワークショップ
3-1.大学・病院組織や看護教育に関する課題を付箋に書いて抽出
3-2.課題の整理と解決の道筋を付箋に書いて解決策の考案
3-3.各課題解決策の実行可能性や効果を考慮し模造紙に優先プランを配置
(4)ワークショップをふまえたアクションポイントの発表
(5)まとめ・所感
ワークショップは参加者の所属組織や立場によって3グループにわかれ、今後の効果的な組織の委員会運営や看護実習にむけての課題、その解決策について意見交換の機会を持つことを目的としました。はじめに、今後の活動を考える上で、人や予算が足りないといった自分たちで解決出来ない問題は扱わないことを説明しましたが、大学教員を含むグループ1、2では設備や教材面の要望が目立ちました。実際に、大学や病院において効果的な看護教育を行うためには十分といえない施設の状況はベースライン調査で確認中です。
一方で病院看護師から成るグループでは、看護の質を高める人材の育成についてのアクションプランが挙がりました。他に、「専門性を身に着け発揮できる看護教育の強化」、「病院と大学をつなぐ委員会活動の運営」、「看護学生や看護師の行動・環境の改善」などが挙がり、プロジェクトの今後の活動内容と関連づけられる事柄もいくつか見られました。本ワークショップの結果をふまえ、より良い成果が得られると考えられるプランを掘り下げ、詳細活動内容の検討に役立てます。
ワークショップは、全参加者が終始活発に立場や組織を越えて双方の意見を出し合い、共感しあう貴重な交流の場ともなりました。本会合のフォローアップとして、今後、メンバーは病院・大学定例会合(CC)(注2)および院内委員会のメンバーリストとTORを作成してもらい、これらを関係省庁へ提出し承認を得る予定です。
(注1)Terms of Reference:活動の責任範囲
(注2)Coordination Committee(CC)
シェレバングラナガル看護大学の委員会活動について経験共有をする学長
DGNMの参加者と意見を交わすシニアスタッフナース
活発に意見をかわす看護部長と看護大学長
看護師の質の向上について力説するガジプールの若手ナース