水理モデルによる井戸干渉に関するオンライン勉強会を開催しました

2020年6月26日

ロチャ川流域では、農業用または飲料用に井戸を無秩序に掘削し、規制のないままに揚水していることから、井戸同士が互いに干渉し合い、地下水位の低下が進んでいます。その結果、住民同士での紛争が生じるケースもあります。そのため、まずは県庁のカウンターパート4名に対して、井戸同士の干渉がどの程度の範囲で起こるかについて、簡単な水理モデルを用いた研修を行いました。

本来であれば、現地で日本人専門家がカウンターパートに対して直接指導する予定でしたが、新型コロナウイルスの影響による現地渡航禁止により、ウェブ会議ツールを用いてオンラインでの勉強会を試みることにしました。なお、現地のカウンターパートも、現在は基本的に在宅勤務となっています。

研修は、事前にテキストを参加者に配布し、日本人専門家のパソコンの画面を共有しながらボリビア側の参加者が自分のパソコンを同時に操作する方法で実施しました。現地での直接指導と比べると効率が悪く時間がかかりましたが、カウンターパートも理解した様子で、目的は無事達成されました。

今後は研修を受けた県庁職員が市役所の担当者に対して同様の研修を行い、新規井戸掘削時の井戸干渉の評価を適切に理解させることで、市役所は近隣住民に対して根拠に基づく説明を行えるようになり、住民の不安と無知からくる紛争を未然に防ぐことを目指します。また、この活動を通じて、自治体レベルでの井戸インベントリの作成や法律的な規制、住民への啓発等の必要な対応につながっていくことも期待されます。

プロジェクトでは引き続き、オンラインツールを用いて遠隔でのカウンターパートとのコミュニケーションやフォローアップを継続していきます。

【画像】ウェブ会議ツール(Google Meet)を用いたオンライン研修の様子