2018年10月10日
みなさんは、「体育の日」の由来を知っていますか?今は10月の第2月曜日ですが、元々は1964年の東京オリンピックの開会式が行われた10月10日が「スポーツに親しみ、健康な心身をつちかうこと」を目的として祝日と定められました。
ここボスニア・ヘルツェゴビナ(以下、BiH)にはこのようなスポーツのための祝日はありませんが、昨年から日本の体育の日を記念して、モスタル市にある5つの障害者施設から人々を招待し、一緒に日本の運動会を楽しんでいます。これは日頃なかなか外に出てスポーツを楽しむ機会が少ない障害者のみなさんにも、身体を動かすことの楽しさを味わってもらいたいという想いから、モスタル市スポーツ協会との協力の下、実施しています。今年は約80名の方が参加し、秋晴れの青空の下で玉入れや綱引きといったおなじみの競技で盛り上がりました。
玉入れの様子
今回は障害者施設“ロス・ロサーレス”で体育教師を勤めるサシャ先生に今回のイベントの感想を聞きました。
以下、サシャ先生のコメントです。
BiHでは、障害を持った人々の身体的な発育発達において、運動会のようなアクティビティを導入するのは初めてです。実際に参加した人々からとてもポジティブな反応が見られ、あらゆる身体能力の発達のためにも効果的で、これから年次イベントとして、このようなアクティビティが取り入れられる可能性があります。こういった運動を繰り返すことで、子どもたちは年々、新しい動きにより興味を示していくことが期待されます。
また、このようなアクティビティは、彼らが自主性を持って取り組むことで、動きの安定性や安全性、集中力の維持に良い影響を与えると思います。もちろん、運動そのものは身体能力や柔軟性の向上に繋がり、よりスムーズに身体を動かすことを助け、更にポジティブで落ち着いた雰囲気の中で、新しい人間関係を築くことは彼らにとってとても重要なことです。
このようなアクティビティを「もっとやりたい!」という感想が参加者たち自身から聞かれました。特に発達障害を抱えた子どもたちの中にはこうした活動に熱心に取り組み「もっと良い結果を出したい!」と思っている子どもがたくさんいます。これからも協力して様々なアクティビティを実施していきたいです。
障害物競走の様子
綱引きの様子