2019年3月19日
2019年3月12日~19日
2019年3月12日~19日にかけて、プノンペン市内の4大税務署の小規模納税者を対象に税制セミナーを下記の日程で実施しました:
12日:7Makara税務署(Green Palace Hotelで開催)
14日:Meanchey税務署(Tonle Bassac Restaurant 2で開催)
15日:Daun Penh税務署(Himawari Hotelで開催)
19日:Chamkarmorn税務署(Tonle Bassac Restaurant 2で開催)
2016年にカンボジアの税制史上にとって大きな変革となる事象、即ち推計課税の全目廃止と全事業者の自主申告納税の義務です。しかしながら、これまで帳簿を付けたこともなく、税務職員の計算に応じてただ納税していた小規模事業者が、いきなり帳簿を付け、計算し、納税をするのは理想であはあるものの、現実的には不可能であるとの配慮から、小規模事業者に対しては簡易帳簿による申告制度(SAF)が開始されました。
プロジェクトでは2016年のSAF導入時から小規模納税者のサポートのため、積極的に支援してきました。特に導入年の2016年にはカンボジア全州で計42回のセミナーを実施し、納税者・税務職員、計6500人に対し、SAF制度の説明をGDTと協力して行いました。
その結果、小規模納税者の申告者数は順調に増加しつつあるものの、依然として日々の記帳に基づいて法律で定められた月次申告や年次申告を行えない納税者もいることから、プロジェクトでは追加的な税制セミナーの実施を必要性を認識し、決定し、今回、プノンペン市内の4地区の小規模納税者を対象にしたセミナーを実施しました。
セミナーは、これまでよく行われていた一般論の説明会ではなく、納税者の疑問に寄り添う形でのケーススタディを用いたため、参加者からは具体的かつ実践的な内容でわかりやすく、有益であったと非常に好評でした。納税者から質問が多く出されましたが、それに武藤チーフアドバイザーやGDT職員が丁寧に答えると皆納得して下さいました。
なお、最後に納税者にアンケートに答えていただくため、プロジェクトで作成した特別なボールペンも配布しました。その際、武藤チーフアドバイザーから「今後、このボールペンをいつも使ってください。このボールペンにはGDTとJICAのロゴ、そしてプロジェクトスローガン『Tax makes our Bright Future of Cambodia』が入っているので、これを使うたびに税を忘れることはできなくなるでしょう」と述べたところ、納税者からは大きな笑い声と同時に納得の声も聞かれたのは非常に印象的でした。
セミナー開始前、GDT側講師と最終打ち合わせをする武藤チーフアドバイザー
7Makara地区の納税者に冒頭挨拶をする武藤チーフアドバイザー
税の役割について説明をする武藤チーフアドバイザー
小規模納税者向けの税制を説明する租税総局職員
Meanchey地区の納税者に挨拶する武藤チーフアドバイザー
セミナーで納税者に質問をする武藤チーフアドバイザー
セミナーの様子
参加した納税者全員と記念撮影
Daun Penh地区のセミナーで講義をする武藤チーフアドバイザー
セミナー参加者の様子
納税者からの質問に答える武藤チーフアドバイザー
セミナー終了後に税務署員と記念撮影
Chamkarmon地区のセミナーの開会式
セミナーで納税者に質問をする武藤チーフアドバイザー
講義を熱心に聞く参加者
カンボジア税制の国際比較をする武藤チーフアドバイザー
納税者に配布されたプロジェクト用の特別ボールペン
納税者を含む全員での記念撮影