2019年4月9日
2019年4月8日~9日
2019年4月8日~9日にかけて、バッタンバン州、シェムリアップ州の所轄税務署の小規模納税者向け税制セミナーを下記の日程で実施しました:
8日:Battambang税務署(Khemara Battambang 1 Hotelで開催)
9日:Siem Reap税務署(Sokha Convention Center and Hotelで開催)
今回は、3月のプノンペンの4大税務署に続く地方セミナーです。
Battambang税務署長は日本の簡易記帳制度をテーマにした訪日研修に参加した経験を活かし、納税者の正確な記帳・申告書作成を支えるべく、記帳指導や申告書作成指導を複数回実施するなど、研修結果がダイナミクスに活かされていました。また、今回作成したテキストは、わかりやすくまとめられ、かつケーススタディも盛り込まれており、こうしたテキストを準備したJICAプロジェクトに謝意が述べられました。
Siem Reapは、世界遺産アンコールワットの街であり、多くの人がホテル業、観光業、サービス業に従事しています。登録済の小規模納税者事業者数は3,000を超え、プノンペンを除くカンボジアでは飛び抜けて多い数字となっています。また、観光地ということもあり、外国人オーナーの会社も多く、想定を超えた非常に多くの外国人も本セミナーに参加しました。
小規模納税者は、日々の記帳・申告書作成に苦戦をしているためか、予定を超え1時間以上、質疑応答がありました。セミナーの予定終了時間12時を1時間近く超過したものの、中途退席される納税者も少なく、非常に熱心で、通常12時を過ぎるとほとんど中途退席されるカンボジアでは珍しい光景でした。
セミナーの冒頭、武藤チーフアドバイザーが「税金を払いたい人は挙手して下さい」質問すると、9割の方が挙手していました。その理由は、自分の事業は小さく、多くの税金は払えないが、カンボジアをもっと発展させたいとの思いにあるようです。こうした納税者は、真の自主申告納税制度の主役であり、今後、こうした人に支えられてカンボジアがますます良い国になることを願います。
なお、今回のセミナーでバッタンバン、シエムリアップでのセミナーはプロジェクト最後であることもあり、武藤チーフアドバイザーから納税者向けに感慨深い閉会の挨拶がありました。「皆さんは、税務職員は好きですか?」との問いかけから始まり、「税務職員は世界中で嫌われる職業であるが、国の発展のためには誰かがやらねばならない。そのために税務職員は、日々努力している」旨のコメントが、日頃のGDT/税務署員とのエピソードも交じえ、話され、税務職員の中には涙する人もおり、さらに納税者からは自然に拍手が沸きあがるなど、感動的な閉会式でした。
セミナー開会式で挨拶をする武藤チーフアドバイザー
開会式には、バッタンバン州副知事も参加
税金を何故払いたいか納税者に尋ねる武藤チーフアドバイザー
税金の恩恵について説明する武藤チーフアドバイザー
小規模納税者の税制について説明をする租税総局職員
バッタンバンの納税者とセミナー後に記念撮影
シェムリアップの開会式にてカンボジア、日本両国国歌を清聴
シェムリアップ税務署副署長挨拶
「税金を払いたいですか」と納税者に質問する武藤チーフアドバイザー
プロジェクト作成ビデオ“Tax Ranger”を鑑賞する納税者
セミナーで講義をする武藤チーフアドバイザー
セミナー参加者の様子
納税者からの質問に答える武藤チーフアドバイザー
非常に熱心な質疑応答の様子1
非常に熱心な質疑応答の様子2
非常に熱心な質疑応答の様子3
セミナー閉会式の様子
税務職員が涙した挨拶をする武藤チーフアドバイザー