2017年10月20日
2017年10月10日にチャクブ組合はマリアナIの村落評議会メンバーを訪問し、1期作目の国産米の生産・販売成果および2期作目の籾購入に係る計画について説明しました。
リタボウ村における村落評議会会議には、村長や区長、農家グループや青年団の代表及び当時課外活動で同村を訪れていた東ティモール国立大学の公衆衛生学部の学生グループが参加しました。またJICA東ティモール事務所からは永石雅史所長等も参加しました。
チャクブ組合にとって同会議は、村落評議会メンバーに対して1期作目の成果を共有するだけでなく、ディリにおける1期作目の国産米のテスト販売に係る経験や顧客の嗜好等について共有する絶好の機会でした。
そのため、会議を通じてマリアナIの農家の人々はマーケットの需要に基づいたコメの品種を栽培することを推奨されるとともに、チャクブ組合による国産米の生産・販売活動やディリの農業水産省におけるテスト販売の進捗状況についても説明を受けました。
さらに同会議では、参加者の国産米の栄養価に係る理解を深めるために、本プロジェクトが日本食品分析センターに依頼して行った国産米及び輸入米のサンプルに関する成分分析結果についても共有しました。
チャクブ組合のディアマンティノ組合長は、「今後国産米の顧客数は、チャクブ組合がその販売を拡大するのにあわせて増加することが期待されます。チャクブ組合は1期作目に生産したコメを全て販売した後、11月中旬より2期作目の新米を販売する計画です。」と熱心に説明してくれました。
また廣中進司プロジェクト専門家(農産物流通・販売)は、「現地の人々はこれまで国産米の栄養価に係る一般的な考えを持っていましたが、それを証明する科学的な根拠はありませんでした。今回日本食品分析センターの協力で得た国産米の栄養価に係る情報を通じて、農家や顧客が国産米の栄養価についてより理解を深めて、将来より多くの国産米を生産・消費してくれることを望んでいます。」と語ってくれました。
JICA東ティモール事務所の永石所長は、「今回の会議に参加して、プロジェクト活動について理解を深めることができてよかったです。会議に参加してくれた大学生の皆さんにはリタボウ村滞在期間中にぜひとも国産米の栄養価について多くの農家の皆さんに伝えて頂けると嬉しいです。さらに、村落評議会の皆さんが今後もプロジェクトと密に協力して頂けることを望んでいます。」と述べました。
一方、今回の会議の参加者の一人であるディルアベン区長のベランシオ氏(43歳)は、「これまでIR64のコメの品種を生産してきましたが、今回チャクブ組合による説明を聞いて、今後はマーケットの需要が高い品種を栽培したいです。そうすることができれば、他の農家よりも栽培したコメをすぐに販売することができると思います。」と抱負を語ってくれました。
そして最後に今回の会議に参加したディリ大学の公衆衛生学部の学生グループの一人であるエルメリンダ氏(23歳)は、「会議に参加するまで国産米の栄養価について知らなかったので、その情報を提供してくれたプロジェクトには感謝したいです。将来村落で栄養分の高い食物を推進する際には今日得た情報をぜひとも活用したいです。また私自身これまで国産米を時々朝食時にしか食べませんでしたが、今後は主食として食べるようにしたいです。」と嬉しそうに感想を述べてくれました。
リタボウ村でチャクブ組合の活動について説明するディアマンティノ組合長。
リタボウ村での会議の様子。
オドマウ村での会議の様子(その1)。
オドマウ村での会議の様子(その2)。
会議で質問する参加者の様子(その1)。
会議で質問する参加者の様子(その2)。
リタボウ村の会議に参加したディリ大学の公衆衛生学部の学生グループ。