栄養改善研修の実施

2017年10月5日

8月1日から4日間、パイロット地区のサンバルトロメ・ホコテナンゴ市にて、また、8月3日と7日の2日間、ネバフ市において、医師、看護師、栄養士などに対する栄養改善研修が実施されました。参加者数は、サンバルトロメ・ホコテナンゴ市が45名、ネバフ市が46名でした。

研修の目的は、栄養改善の現状と課題を確認すること、妊産婦と授乳婦と子供のために適切な栄養指導活動ができるように実践力を養うことでした。具体的には、新しい取り組みとして現在制作中の「私の栄養カレンダー」の内容と使い方を知ること、日本で制作した「フードモデル」(食品模型)を活用して一日に必要な分量の食事メニューを知ることがねらいでした。

研修では、保健管区とプロジェクトの栄養士がファシリテーターとなり、食品の栄養素別の分類や身長体重計の使い方、栄養評価方法や乳幼児補完食の調理実技など基礎から応用まで、グループワークを取り入れた演習が実施されました。

プロジェクトでは、妊産婦に必要な栄養摂取量の基準となる献立例を考え、その食材の種類と量を家族鍋に記入したものが考案されました(写真1)。研修では、鍋の描かれた栄養カレンダーをもとに、妊娠各期で一日に必要となる食品の種類と量を学びました。また、グループごとに、家庭訪問や健康診断などの場面で栄養カレンダーを使ってどのように栄養指導活動ができるか寸劇を考えて発表しました。加えて、完全母乳育児の推進に関連して、母乳育児の利点や母乳成分についても知識を確かめ合いながら学びました。

更に研修では、乳幼児補完食のフードモデルを見本にし、子供の月齢に適したベビーフードを作る調理実習を取り入れました。同実習では、栄養分野の青年海外協力隊員が参加し、補完食の作り方や食べさせ方の実技をサポートしました。

受講者はみな熱心に実技やグループワークに参加していて、実践意欲の高さが感じられました。アンケートでは、「興味深く学べた」「活動に重要なテーマを学べた」「知識を強化できた。向上できた」「実践的だった。思考をリフレッシュすることができた」「日ごろの活動で自身の知識の弱かった部分を発見できた。苦手を強化できた」などの感想がありました。

研修後、保健ポストの准看護師は、「研修で学んだ補完食の調理実技を家庭訪問の時に実践して村のお母さんに教えたい」と抱負を語っていました。研修で学んだことがそこで終わってしまうのでなく、それぞれの場所で実践されることを願います。

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(写真1)8月1日サンバルトロメ ホコテナンゴ市家族鍋を用いた食品分類演習

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8月7日ネバフ BMI計算演習の様子

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サンバルトロメ市離乳食の与え方演習