2019年8月30日
プロジェクトでは、妊婦と2才までの子どもを持つ母親へ「私の栄養カレンダー」(以後、栄養カレンダー)を配付しています。栄養カレンダーは、妊娠期および授乳期の妊婦がどのような食事をしたらよいのか、また、離乳期の子どもの食事の量や形態、さらには衛生面で気をつけたいことなどを写真やイラストで文字が読めない人にもわかるように示しています。
保健医療施設では、この栄養カレンダーを用いて、栄養指導が行われています。これまでプロジェクトでは、妊婦とその子どもに適切な栄養情報が伝わるよう、医療従事者に対する研修を繰り返してきました。妊婦の栄養状態は一人一人異なるため、保健医療従事者は単にカレンダーを配付するだけでなく、妊婦の状態に合わせた栄養指導を行い、聞き手が栄養の問題に気づき、改善の必要性を意識してくれるようになることが重要です。保健医療従事者は、可能な限り専門的な視点から栄養指導を実践することが必要となってきます。
7月から8月にかけて、専門家がこれら施設を訪問し、栄養カレンダーを用いた栄養相談が適切に行われているかモニタリング活動を行いました。訪問では、保健医療従事者が行う妊婦健診の様子を確認し、保健医療従事者が妊婦に対して栄養カレンダーの内容を丁寧に説明し、表紙に妊婦の名前を入れて大切に手渡しされている様子を見ることが出来ました。また、妊婦健診以外の時間に訪問した施設では、普段どのように栄養指導を行い、カレンダーを妊婦に手渡しているかを再現してもらいました。
一連の手順を確認する中で、日々の食事内容の確認を忘れて食事指導をする例や、妊婦が手に入らない食材がある場合の代用品として何を食べると良いかを提案出来なかった例なども見られましたが、保健医療従事者が、一人一人にあった適切な栄養指導ができるよう、プロジェクト専門家は、引き続きこうした栄養に関する指導を行っていきます。
保健施設では、引き続き栄養カレンダーを用いたより適切な栄養指導が継続され、各家庭でも、栄養カレンダーが有効的に活用され、プロジェクト地域の妊婦と子どもの栄養改善へとつながることを願います。