2018年1月25日
2016年3月に始まった「官民協力による農産物流通システム改善プロジェクト」もスタートから2年近くが経過しました。
現在の本プロジェクトの主軸となるのは以下の4つの活動です。
第1号のプロジェクトニュースでは、1つ目の活動「栽培管理」についてご報告したいと思います。
2016年は生産現場の現状調査や市場のニーズ調査、プロジェクトに参加する農家グループの選定を行いました。2017年にはプロジェクトも本格始動し、農家グループによるトライアルプロジェクト(試験栽培)も2回目の収穫を迎えました。
これまで対象6県・市の30の農家グループ(約300名の農家)がトライアルプロジェクトに参加しました。プロジェクトチームの指導の下、各農家が自分の畑で新しい栽培管理方法を試すのですが、はじめはこれまでの栽培方法を変えることに懐疑的だった農家グループも少なくありませんでした。しかし、例えば苗床を作る、株間を広げるといったわずかな違いが栽培期間中の手間を減らし、収穫量と品質に差がでることを体感した1回目の収穫以降は熱心に栽培管理方法を学ぶようになりました。また、品質の高い野菜の栽培に成功した農家グループの中には、日系スーパーマーケットなど新しい販売先を開拓したグループも現れました。
もちろん、なかには病気で苗が死滅してしまうなど、すべての農家が栽培に成功したわけではありません。しかし、農家とプロジェクトチームが一緒になって、次はどうすれば成功につながるのかを失敗から学び・実践するのもトライアルプロジェクトの大事な活動です。
現在、インドネシアは雨季の真っただ中です。突風が吹いて雨よけのビニールシートが飛んでも、大雨でニンジン畑が流されそうになっても、農家の皆さんは一生懸命に野菜と果物を育てています。農家の頑張りが実るよう、園芸総局と各県・市の農業局そしてプロジェクトチーム一丸となって取り組んで参りますので、皆様の応援をよろしくお願いいたします。
次回は2つ目の活動「輸送・販売方法の改善」についてご報告したいと思います。
トマトの畑で栽培管理方法を指導する森田専門家(栽培技術)
栽培管理されたトウガラシ畑
参加農家に栽培管理方法を説明する田中専門家(栽培技術)
収穫時期のパプリカ
苗床の作り方を学ぶ農家