2013年6月4日
ナイロビの東約200キロメートルに、キツイという街があります。ここにケニア森林研究所(KEFRI)の地域拠点センターがあり、周辺の幾つかのステーションを統括しています。このセンターは、25キロメートルほど離れたところ(ティバ)に広大な試験地を有しており、本プロジェクトではそこの一部を「耐乾燥性」研究のフィールドや、採種園の造成による種子生産基地として利用しています。
2013年9月15日は、朝から赤道直下の直射日光がジリジリと照りつける暑い日でした。朝8時に測量チームの約10人が現場に集まり、GPSを片手にいばらや刺の鋭い植物が生い茂るブッシュに分け入り、14ヘクタールの周囲測量を行いました。この場所で、11月末まで整地、フェンス設置作業、植え付け位置の画定、植穴掘り等を次々に行い、12月4日に1800本の苗木の植え付けを完了しました。例年なら10月下旬から12月半ばは雨季なので、これらの作業の進捗が心配される時期なのですが、2012年はこれが遅れて作業期間中にはあまり降らず、植え付け完了と同時に降り続くようになりました。植え付け後の苗木には十分な水分が必要ですから、作業チーム全員でこのラッキーを喜び、感謝しました。
植え付け時には30センチメートルほどの背丈だった苗木は、その後すくすくと成長して、5ヵ月が経過した5月初旬時点で、高いものは既に3メートルを越えています。その風格は、もはや「苗木」というよりは「若木」という出で立ちになってきました。この採種園の立地は丘の上で、常に風が吹いているので、背丈が伸びるに連れてその影響を受けて曲がりやすくなるため、サポート用の当木を処置していますが、成長があまりに早いため、その作業が追いつかないほどです。
(なるみ・おざわ)
2012年9月15日の測量チーム
途中のポイントに穴を掘って目印を立てる
ブルドーザーで整地開始
徐々に切り開かれる採種園用地
地中に残るブッシュ根部の鋤取り作業
鋤入れが終わった採種園用地
フェンス設置作業開始
植付け位置の測量
植付けチームの工程検討会
植付け作業
植付け完了(2012年12月1日)
生育状況検討(2013年1月末)
2013年2月下旬(2ヵ月半経過)
2013年3月上旬(3ヵ月経過)
2013年5月上旬(5ヵ月経過)
キツイ採種園の俯瞰