2013年6月4日
2013年度は、キツイ及びキブウェジ両採種園の植栽用のメリアの苗木を予備も含め5000本用意する予定です。これらの苗木は、普通の健康なメリアの台木に、プラス木と言われる優良木から採取した接ぎ穂を接ぎ木したものです。ですから、苗木の生産は、まず台木の生産から始まります。
まず、接ぎ木のタイミングから逆算して3月から、苗畑担当のスタッフが、比較的優良なメリアが多く茂っている地域で台木用のメリアの実を採取してきました。この実は、琵琶の実のような形と大きさで緑色をしています。これを石の上で叩いて割って、中にある桃の核よりも一回り小さめの核部分を取り出します。目的の種子はこの中にあるので、この核の殻を刃物でかち割って、ちょうどあられの「柿の種」のような形状をした黒い種子を取り出します。
こうやってようやく手にした種子は、温度と湿度を一定に保った発芽用苗床に蒔かれて、約1週間で発芽します。その後、この発芽苗は、燻蒸処理した土を詰めて作ったビニール製のポット(小袋)に移植され、苗床で十分な大きさになるまで大事に育てられます。4月初めには大雨に見舞われて、約半分の発芽苗が浸水により枯死してしまうハプニングもありましたが、その後補填を行い5月初旬時点ではほぼ順調に育っています。
(なるみ・おざわ)
採取されたメリアの実
石の上で叩いて割り、核を取り出す
取り出したばかりの核部分
核部分を日干しする
核部分をナイフでかち割る
取り出されたメリアの種子
発芽用苗床で発芽させる
土を準備して燻蒸消毒
発芽後、ポットに移植されたメリアの苗
移植後約2週間経過した苗