ケニアでは2010年に憲法改正が国民投票で承認され、ケニアの地方統治体制の主体が中央政府(大統領府)から地方政府(カウンティ)となる地方分権制への移行が決まりました。そして、憲法改正後の2013年に初の総選挙が実施され、新設された上院議会議員、カウンティ知事、カウンティ議員などを含む6つの直接投票が同時に行われました。この選挙後に本格始動した地方分権化体制下で実施されるカウンティによる農業普及サービスを支援するため、2015年からSHEP PLUSが実施されています。
SHEP PLUSが対象としている18カウンティについて、1年目はプロジェクトチームが実施研修・活動の講師を務めます。2年目は、1年目での学びをもとに、カウンティ行政官が講師となり、活動を実施し、SHEP PLUSのプロジェクトチームはそのサポートをします。その経験を活かして、カウンティは自らの予算と人材で実施が可能な活動計画を立案し、実施していくことが期待されています。プロジェクトチームでは、活動計画策定時のコンサルテーションや、カウンティ上層部への説明会実施などでカウンティ政府をサポートしています。最終的にはその成果をもって、カウンティ政府内でSHEPアプローチが農業普及の一手法として継続的に活用されていくことを目指しています。
SHEP PLUSでは、対象カウンティ及び1年目・2年目対象農家グループに対して、下記の研修実施支援をしています。カウンティ政府がプロジェクトチームのサポートをもとに一連の研修を実施する中で、それぞれの活動を理解し、それぞれのカウンティ内での更なる展開に必要な活動を選び、計画を立てて実施します。
ステップ1. 対象農家選定と目的共有
ステップ2. 農家の気付きの機会創出
ステップ3. 農家による決定
ステップ4. 技術<解決策>の提供
ケニアでは、前フェーズのSHEP UPから他国行政官を受け入れ、SHEPアプローチについての実践を学ぶ研修を実施してきました。他国からの研修参加者は2014年から現在(2019年4月)までで合計200名を越えています。研修では、ケニアのSHEPアプローチを伝えるだけでなく、参加国におけるSHEPアプローチの様々な実施状況やあり方を学ぶことで、プロジェクトチームのカウンティ政府へのアドバイス機能を強化しています。
仏語圏講義室の様子
仏語圏市場調査の様子
英語圏圃場視察の様子