2019年1月7日
今日はしっかり奥さんの話を紹介します。秋の終わりに、トウモロコシの栽培地域で始めてホールクロップサイレージ調製に挑戦する酪農家を指導しました。近所の酪農家からは、もし今年あなたが成功したら自分も来年はやってみると言われており、周囲の期待に沿えるよう真剣に取り組みました。真剣なのは元手がかかっていることもあります。トウモロコシの栽培経費からトラクターのレンタルに至るまで、約10万ソム(成牛1頭に相当)もかかっていました。中谷専門家に対しても、どんなことでもするから是非成功するように指導を願いたいと要求され、手抜きなぞすることなく全身全霊でいっしょにがんばりました。
ここで添付の写真を見てください。朝から汗を流して調製作業の最終段階には夕方になり、この酪農家のご主人も疲れがでてきて作業のスピードが遅くなってきました。そんな時に、彼の奥さんが「何をチンタラやってるのよ!」と叱責しながら、ご自分は必死の形相でがんばりました。もう一枚の写真を見てください。子供たちを見つめる慈愛に満ちた奥さんの表情です。この子たちの将来のためにも、何としても酪農をがんばらなくてはならないという思いがこちらにも伝わってくるではないですか。中谷専門家は、こういう家族のためにも、我々はいいかげんな仕事はできないなという思いを強くしたそうです。
そして、冬の初めにそのサイレージの出来具合を確認しに行きました。その時の頑張りの甲斐があって、サイレージは見事に調製されていました。中谷専門家は、期待に応えられてほっとすると同時に、奥さんの笑顔をひときわ眩しく感じたそうです。来シーズンはこのエリアの酪農家達にもこの技術が普及することになるでしょう。
疲労困憊のご主人に奥さん(左端)の一喝!
でも本当は優しい奥さん(右)