2018年3月27日
水利組織役員による配電盤確認
カウンターパートと電気技術者による故障箇所チェック(このあたりから事態が深刻化)
ポンプ場で、水利組織役員、農家、カウンターパート、専門家等が集まり、既に1時間が経過。未だに解決策は見えず、私自身「10日かかるが、部品交換をしてポンプを修理し、農家にはもう一度種籾を買って播きなおしてもらうしか方法はないのではないか…」と、半ばあきらめていました。その時、「そういえば近隣の潅漑地区を調査した時、同じような規格のポンプを設置しているようであった。ポンプが故障して放置している地区もあり、その場合制御ボックスは使えるのではないか?」と頭によぎったため、カウンターパートにこのことを話したところ「そうだ。その方法があった。制御ボックスがあるかどうか分からないが、とにかく近隣の水利組織に連絡してみる。」と言い、水利組織の役員と話し合い、近隣のA水利組織に連絡し、すぐにその水利組織のポンプ場へ直行しました(専門家は事態の推移を見守るため同行)。
カウンターパートが、A水利組織の組合長に状況を説明し、制御ボックスを貸してもらえるよう依頼。組合長にも「困った時はお互い様」と快く承諾してもらいました(彼も予備の部品として持っておきたかったでしょうが、彼の協力に感謝)。
翌12月1日早朝、水利組織役員がA水利組織に出向き、制御ボックスを借り受け、配電盤の修理を完了!夕方には通常通りのポンプ潅漑が再開されました。潅漑できなかった期間は2日間だったため、種籾の発芽には影響しませんでした。
今回は、水利組織は速やかにカウンターパート(行政)と問題を共有し、カウンターパートが時間、予算、交換部品がない厳しい条件の中、知恵を出し、関係水利組織と調整し、主体的に解決できました。このことは彼らにとって大きな自信となりました。この自信が、それ以後の彼らの活動につながっていくことになりますが、それはまた次回ご紹介します。
(余談)
ポンプが復旧し、私(専門家)が潅漑の水が水路を流れているところを眺めていたら、水利組織の組合長が後ろから抱きついてきて、「ありがとう!!!」といって、右の頬にキスをされました。ちなみに組合長は65歳(男)、私が45歳(男)。感謝の表現にとまどいました。
カウンターパートとA水利組織組合長との交渉
制御ボックスの交換作業
(朝から夕方までかかりました)
潅漑再開!
稲も順調に生育中