2013年10月31日
今月はインストラクターによる植林ローカル・トレーナー育成研修が開催されました。今年の植林研修は、播種研修、移植研修の2段階に分け実施され、9月には播種研修が実施されています。ローカル・トレーナー育成研修を受講したローカル・トレーナーは、各自の村で、播種研修を開催しています。
昨年度は3種類だった植林樹種を増やし、今年はユーカリ・ロビスタ、ユーカリ・シトリオドーラ、グラベリア、マツ、モリンガの5種類を採用しています。しかしながら、ローカル・トレーナーによる播種研修をモニタリングしたところ、5種類の種子を区別することが難しいトレーナーが多く、来年度の樹種は2〜3種類に抑えることを予定しています。
ローカル・トレーナー育成研修を受講したローカル・トレーナーによる改良かまど研修が、全村で一斉に開催されています。ローカル・トレーナーによる研修実施前には、ローカル・トレーナーの研修実施能力に対する懸念がインストラクターから挙げられていましたが、エリア・マネージャーのモニタリングにより、技術に問題はないとの報告が上がっています。改良かまどの資材の赤土の入手が難しいという問題が、一部の村から挙げられています。対策として、ローカル・トレーナーや住民に対し、グループを作り赤土を取りに行くという案が、エリア・マネージャーから提案されています。
表1:特定テーマ研修実績表(2013年9月30日現在)
研修名 | 研修実績数 (2012年8月から2013年9月) |
研修実績数 (2013年 9月のみ) |
研修参加者数 (2012年8月から 2013年9月) |
||
---|---|---|---|---|---|
男性 | 女性 | 合計 | |||
播種研修(ローカルトレナー育成) | 8 | 8 | 15 | 28 | 43 |
改良カマド研修(インストラクターによる開催) | 176 | 8 | 1,612 | 1,742 | 3,354 |
改良カマド研修(ローカルトレーナー育成) | 14 | 14 | 15 | 45 | 60 |
改良カマド研修(ローカルトレーナーによる開催) | 36 | 24 | 178 | 290 | 468 |
合計 | 234 | 54 | 1,820 | 2,105 | 3,925 |
今月は、アンタナナリボ近郊から稚魚生産研修のための親魚を購入。対象地域3コミューンから選ばれた5サイトで稚魚生産研修が実施されました。
表2:オン・デマンド研修実績表(2013年9月30日現在)
研修名 | 研修実績数 (2012年8月から2013年9月) |
研修実績数 (2013年 9月のみ) |
研修参加者数 (2012年8月から 2013年9月) |
||
---|---|---|---|---|---|
男性 | 女性 | 合計 | |||
ラバカ対策研修 | 5 | 0 | 104 | 13 | 117 |
ライチ研修(取り木) | 135 | 9 | 766 | 1,195 | 1,961 |
7日間堆肥づくり研修 | 144 | 8 | 1,502 | 1,233 | 2,735 |
土壌保全農業研修 | 10 | 0 | 179 | 130 | 309 |
陸稲研修 | 1 | 0 | 10 | 10 | 20 |
野菜栽培研修 | 114 | 5 | 841 | 929 | 1,770 |
養豚研修 | 144 | 8 | 1,198 | 1,181 | 2,379 |
家禽飼育研修 | 134 | 15 | 1,094 | 1,132 | 2,226 |
養殖研修(池準備) | 11 | 1 | 154 | 117 | 271 |
養殖研修(放流) | 5 | 0 | 96 | 63 | 159 |
養殖研修(育成) | 5 | 0 | 100 | 48 | 148 |
合計 | 708 | 46 | 6,044 | 6,051 | 12,095 |
先月締結されたローカルNGO再委託契約に基づき、対象3コミューン(注1)において2つのNGOが研修事業の実施、モニタリング、これにかかる傭人と経理管理を行っています。プロジェクトは、NGOを後方支援するとともに、NGOの能力強化に努めています。
8月にローカル・トレーナーによる対象地域内の全戸調査、9月には26フクタン(注2)から抽出した9フクタンのエリア・マネージャーによる植林現場の踏査が行われました。
表3:全戸調査結果(コミューン毎の集計)
コミューン | 世帯数 (世帯) |
人口 (人) |
質問表 回答数 (枚) |
植林数(本) | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ユーカリ | グラベリア | モリンガ | |||||||
アンパシケリー | 1,311 | 8,215 | 893 | 45,709 | 464 | 1,775 | |||
アンドレバケリスッド | 1,367 | 7,244 | 1,197 | 97,140 | 3,605 | 4,955 | |||
ムララノクロム | 9,885 | 55,851 | 5,988 | 214,460 | 21,450 | 12,960 | |||
合計 | 12,563 | 71,310 | 8,078 | 357,309 | 25,519 | 19,690 |
表4:全戸調査結果(カテゴリー毎の集計)
カテゴリー(特徴) | 世帯数 (世帯) |
人口 (人) |
質問表 回答数 (枚) |
植林数(本) | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ユーカリ | グラベリア | モリンガ | |||||||
1、PC23(注3)付近のフクタン | 1,943 | 11,247 | 1,489 | 18,686 | 3,463 | 2,976 | |||
2、国道3a号沿いのフクタン | 6,176 | 36,713 | 3,745 | 125,466 | 4,178 | 9,679 | |||
3、クロム道路沿いのフクタン | 2,643 | 12,598 | 1,697 | 117,564 | 9,705 | 4,302 | |||
4、Ranomaintyに向かう道路に位置するフクタン | 1,061 | 6,181 | 627 | 23,335 | 961 | 1,087 | |||
5、上述の主要道路から遠隔地のフクタン | 740 | 4,571 | 520 | 72,258 | 7,212 | 1,646 | |||
合計 | 12,563 | 71,310 | 8,078 | 357,309 | 25,519 | 19,690 |
カテゴリー | コミューン名 | フクタン名 | 調査対象者 (ランダム 抽出) |
ユーカリ | ||
---|---|---|---|---|---|---|
植林数 | 生存数 | 生存率 | ||||
1 | アンドレバケリスッド | アンボンガベ | 14 | 6,821 | 5,270 | 77% |
ムララノクロム | アノシボリボリ | 20 | 1,238 | 945 | 76% | |
小計 | 34 | 8,059 | 6,215 | 77% | ||
2 | アンパシケリー | アンパシケリー | 24 | 2,854 | 2,778 | 97% |
アンドレバケリスッド | アンドレバケリスッド | 22 | 1,357 | 1,054 | 78% | |
ムララノクロム | マハリダーザ | 23 | 77 | 64 | 83% | |
小計 | 69 | 4,288 | 3,896 | 86% | ||
3 | ムララノクロム | マヘリアラ | 10 | 540 | 375 | 69% |
ムララノクロム | マナカバインケリ | 7 | 565 | 412 | 73% | |
ムララノクロム | ムララノウエスト | 9 | 209 | 149 | 71% | |
小計 | 26 | 1,314 | 936 | 71% | ||
4 | ムララノクロム | モラテロ | 16 | 1,197 | 683 | 57% |
小計 | 16 | 1,197 | 683 | 57% | ||
総計 | 145 | 14,858 | 11,730 | 76% |
(注1)コミューン マダガスカルの行政単位の一つで、日本の「市」にあたる。
(注2)フクタン マダガスカルの行政単位の一つで、日本の「村」にあたる。
(注3)PC23 Perimetre Colonial 23の略で、フランス植民地時代に境界区定された地区割りで、現在も、区画を示すのに利用されている。
11月3日 櫻井専門家着任
11月11日 野田専門家、小川専門家離任
10月3日 インストラクターが開催するローカル・トレーナーの育成研修。写真は、マハリダーザフクタンでの植林研修の第1回目播種研修の様子。
10月5日 ローカル・トレーナーによって開催されている改良かまど研修。写真はチャラホネナナフクタンの様子
10月10日 稚魚生産研修で作成された雌魚の産卵場所。材料は、養殖池の持ち主が自分で準備し、講師の指導によって作成します。写真はアンボディラノフクタンでの様子。
10月11日 ローカル・トレーナーによって開催されている植林研修第1回目播種の様子。研修時に参加者に種子とポットを配布し、個人苗畑を作成することを促進しています。
10月17日 稚魚生産研修に使用する親魚をアンタナナリボ近郊から購入し、稚魚生産研修が始まるまで、アンパシケリーのエリア・マネージャーの養殖池で飼育しました。稚魚生産研修が実施される5サイトの準備が整い、全ての親魚は研修の際に5サイトに放流されました。
10月22日 個人苗畑のモリンガの発芽